第五章
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ブラジル風ビーフストロガノフであるエストロノッフィ、ブラジル風揚げ餃子であるバステウ、一つ一つにそれぞれ具が入っている総菜パンであるエスフィーハ、所謂コロッケであるポリーニャ、豆を混ぜて炊いた炊き込みご飯であるアホス=コン=フェイジャオン、鶏肉とオクラにトマトを入れたフライパン煮であるフランゴ=コン=キアーボそれにブラジルの各種フルーツの盛り合わせをデザートにして酒はブラジル産の赤ワインを注文して乾杯してから飲んで食べた。
その中でだ、巨体だけあって見事な食べっぷりのアマードの手にあるものが宿った。そしてそこで彼の心に声が語り掛けてきた。その声の言葉をそのままガブリエラに話した。
「これはドン=キホーテの鎧だよ」
「完全装備のプレートメイルやな」
「うん、もうどんな攻撃もしっかり守ってくれる」
「そんな鎧やね」
「だからあの騎士さんも心が折れるまで色々やれたし」
かつての鎧の持ち主もというのだ、彼はエストロノッフィを食べているガブリエラに話した。
「そして僕のこともね」
「護ってくれるんやな」
「そうしてくれるものだよ。それに」
アマードはさらに話した、エスフィーハの一つを食べながら。
「神託を乗り越えてね」
「それでやな」
「全体的に一回り強くなったよ」
「自分自身が」
「そうなったよ」
「それは何よりやな」
「まだ自信がないけれど僕も出来たんだね」
やるべきことをと言うのだった。
「よかったよ、じゃあ」
「それでやな」
「僕達の目的は神託を適えることじゃなくて」
赤ワインを飲みながら言うのだった。
「この世界を救うことだから」
「その為にやな」
「これからもね」
まさにと言うのだった。
「歩いていくよ、例えそれがゆっくりで遅くても」
「それでもやな」
「確実に前に進んで行くよ」
こう言うのだった。
「今はここで飲んで食べるけれど」
「それが終わったらな」
「また行くよ」
この世界を救う為にと言うのだった、そうしてだった。
アマードは今はまたワインを飲んだ、そのワインの味は濃厚で実に美味かった。そのワインがことを果たせた勝利の美酒であることも彼は今は感じ取っていてまたこの美酒を飲もうとも自分自身に誓うのだった。
アマゾンのドラゴン 完
2019・7・21
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