557部分:もう道化師じゃないその八
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もう道化師じゃないその八
「一人でも多い方がいいだろ」
「皆でやればいいんじゃね?」
「だからな。俺達もな」
「もう表に出させてもらうぜ」
「じゃあ」
「私達もね」
今度は明日夢と茜だった。恵美も横にいる。
「やらせてもらうわ」
「未晴のことね」
「皆それでいいね」
桐生が他の面々にも声をかけた。
「竹林さんの為に。皆で」
「いいよ」
「嫌だったら話聞いた時点で逃げてるじゃねえか」
「私も。やらせて」
一人も嫌だとは言わなかった。全員の考えがここでは一致していた。
「そういうことだから」
「そうか」
加山の言葉に応える正道だった。当然彼も賛成だった。
「皆それでいいのか」
「じゃあさ、明日だけれど」
竹山が皆にその皆に言ってきた。
「いいかな。竹林さんのお見舞いに行こう」
「皆でな」
「行くか」
「絶対に伝わるよ」
竹山にしてはかなり積極的に動く話だった。
「心の奥底にね」
「よし、じゃあ明日な」
「行きましょう、皆でね」
「そうだな、皆でな」
こう話してそのうえで明日皆で見舞いに行くことを決めたのだった。次の日実際に未晴の見舞いに行った。しかしここで誰がショックを受けた。
「・・・・・・話には聞いていたけれどな」
「これは」
暗い部屋の中で上体を起こしたままの未晴を見て皆絶句してしまった。流石に今は天敵も酸素マスクもしていない。だが目は虚ろで何も見てはおらず動くこともない。包帯が巻かれた頭もそのままにただそこに寝ているだけであった。まるで植物の様にだ。
「ずっとこんなのだったのね」
「八月の末から」
「そうだ」
正道はその未晴の枕元に座ってギターを手にしながら述べた。
「この顔だ。ずっとな」
「そう、ずっとね」
「こうなのか」
皆彼の今の話を聞いてあらためて沈痛な顔になった。
「身体の怪我も酷いけれど」
「心の傷はもっとか」
「そうみたいだな。酷い暴行を受けたらしい」
その未晴の顔をじっと見ながら皆に述べる正道だった。
「その結果らしい」
「身体とか大丈夫なの?」
咲が恐る恐るといった感じで正道に問うてきた。
「それで。後遺症とかは」
「それはないらしい」
「そう、よかった」
「ただしだ」
今安堵した彼女だったがすぐにそれは裏切られることになった。
「心は」
「そうなの」
「動きはしない」
ひとえにこれであった。
「全くだ。今のところは」
「今のところは、ね」
明日夢は今の正道の言葉に反応を見せた。
「そうよね。今のところはね」
「ってことは」
「これからかよ」
「やってみないとはじまらないわよ」
このことを言う明日夢だった。
「何事もね」
「だから俺はここにいる」
正道は未
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