第7章:神界大戦
第213話「足掻き、集結する」
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輝さんがさらに加速しようとする。
しかし、その寸前で前に進みつつも横に跳び、攻撃を躱した。
「見つかったか。……そういう“性質”か」
「ッ……!」
優輝の視線の先には、一人の神とその眷属らしき“天使”が複数いた。
あたし達の霊術がまるで存在しないかのように、こちらを見据えていた。
「神界でそう易々と身を隠せると思わない事だ。却って見つかるぞ?」
「忠告どうも。……いけるか?」
「っ、ええ……!」
優輝さん曰く、そう言った“性質”かもしれない。
……ああ、もうそれで納得出来てしまう。ある程度の理不尽さには慣れてしまった。
「集束、相乗……!」
「圧縮……穿て!」
―――“氷炎反極滅閃”
とにかく、最低でも意識を逸らさないといけない。
そのためにも、あたしはすずかと共に攻撃を放つ。
単発で、且つ非常に強力な霊術を放つ。
それは、プラスエネルギーである炎とマイナスエネルギーである氷を掛け合わせる事によって、互いのエネルギーがぶつかり合い、生じる消滅エネルギーを放つ霊術。
ただの障壁などではそれごと消滅してしまう程の、禁忌に近い危険な術だ。
「(尤も、相手は神。そんなの遠慮してられないけどね……!)」
物理的な力なら、確実に効く霊術。
これなら、神界でも足止めぐらいにはなるはず……!
「……ふっ!」
「なっ……!?」
だけど、そんな考えは即座に吹き飛ばされた。
手刀で一閃。神がそれを行った瞬間、霊術は炎と氷に分かたれてしまった。
「(術式の“穴”を、的確に突いてきた!?そんな、優輝さんやとこよさんですら初見じゃ避けるしかなかったのに……!)」
いくら消滅エネルギーとはいえ、元は炎と氷。
術式であるならば、それらを掛け合わせる部分は存在する。
神は、それを一瞬で見抜き、さらにそこに干渉して炎と氷を分離させたのだ。
「見抜く事に長ける、か。そういった“性質”ならば仕方ない」
「何を……」
「………」
納得したように呟いた後、優輝さんは黙り込む。
すると、後方からいくつもの閃光が飛んできた。
「なるほど」
「(避けられた……!)」
その閃光は魔力や霊力によるもの……つまり、本体の優輝さんが放ったものだ。
けど、立ち塞がる神はそれらをあっさりと避けた。
……まるで、どこにどう避ければいいか“見抜いた”ように。
「ならば、これはどうだ?」
「な、に……っ!?」
先程と同じように、また流れ弾のように閃光が飛んできた。
けど、今度は避ける素振りを見せた瞬間、神は驚愕に顔を歪ませた。
「行くぞ」
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