第7章:神界大戦
第213話「足掻き、集結する」
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いていけないわよ」
あろうことか、すずかは自分を犠牲にしようとしてきた。
洗脳された負い目もあるのだろうけど、この場においてそんな事出来る訳がない。
……それに、何よりもすずかは、
「友達だから、助け合うのは当然よ。……抜け出すわよ。この窮地を」
「っ……うん……!」
正直言って、打開策は思いつかない。
でも、虚勢でもいいから“どうって事ない”と見せないと心が潰れる。
「………っ……」
それだけじゃない。……先程のすずかの言葉が、あたしの中で引っかかっていた。
“優輝さんがいなければ”……その言葉が忘れられずにいた。
「考え事か?」
「ッ!!」
「アリサちゃん!」
その引っかかりが、大きな隙を晒していた。
気が付けば、あたしの体は吹き飛ばされていた。
すずかも、防御はしていたけど同じように吹き飛ばされている。
「ッ……」
直後、地面に縫い付けられた。
まるで、杭で打ち付けられたかのように、あたし達は身動きが取れなくなる。
「くっ……!」
立ち上がる事もできない。
神の力だけが理由じゃない。……僅かにでも、あたし達が“諦めている”からだ。
「(まだ、まだ終わってない……!)」
縫い付けられていると言っても、体が一切動かない訳ではなかった。
フレイムアイズを握る手は動く。これなら……!
「っ、ぁ……!」
「見逃すとでも?」
そう思った矢先に、“天使”の攻撃でフレイムアイズが手から弾かれる。
僅かに動かせる事も、絶望に落とすためだったのかもしれない。
「(まずい……)」
散々言われてきた事なのに、“気持ち”で負けそうになる。
容赦なく神達の攻撃が放たれ、あたし達がそれに呑まれそうになって……
―――何かがあたし達を掻っ攫った。
「ゆ、優輝さん!?」
すずかが驚いた声を上げる。
それもそうだ。あたし達を助けるように連れ去ったのは優輝さんだったから。
「じっとして。今攻撃されたらすぐに消えてしまう」
「消え……?……あ、式神……」
「その通りだ」
あたし達を両脇に抱えて駆ける優輝さんは、式神による分身だった。
じゃあ、本物は?と思って、振り返ると……
「ッ……!?」
「嘘……あんなに……」
見渡す限りの剣、槍、斧、矢、魔力弾、霊術。
ありとあらゆる武器や術による弾幕がそこにはあった。
それを操るのは、本体であろう優輝さん。
「結界のある位置に向かう。おそらく、他の皆も集まっているだろう」
「結界……
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