暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第213話「足掻き、集結する」
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いていけないわよ」

 あろうことか、すずかは自分を犠牲にしようとしてきた。
 洗脳された負い目もあるのだろうけど、この場においてそんな事出来る訳がない。
 ……それに、何よりもすずかは、

「友達だから、助け合うのは当然よ。……抜け出すわよ。この窮地を」

「っ……うん……!」

 正直言って、打開策は思いつかない。
 でも、虚勢でもいいから“どうって事ない”と見せないと心が潰れる。

「………っ……」

 それだけじゃない。……先程のすずかの言葉が、あたしの中で引っかかっていた。
 “優輝さんがいなければ”……その言葉が忘れられずにいた。

「考え事か?」

「ッ!!」

「アリサちゃん!」

 その引っかかりが、大きな隙を晒していた。
 気が付けば、あたしの体は吹き飛ばされていた。
 すずかも、防御はしていたけど同じように吹き飛ばされている。

「ッ……」

 直後、地面に縫い付けられた。
 まるで、杭で打ち付けられたかのように、あたし達は身動きが取れなくなる。

「くっ……!」

 立ち上がる事もできない。
 神の力だけが理由じゃない。……僅かにでも、あたし達が“諦めている”からだ。

「(まだ、まだ終わってない……!)」

 縫い付けられていると言っても、体が一切動かない訳ではなかった。
 フレイムアイズを握る手は動く。これなら……!

「っ、ぁ……!」

「見逃すとでも?」

 そう思った矢先に、“天使”の攻撃でフレイムアイズが手から弾かれる。
 僅かに動かせる事も、絶望に落とすためだったのかもしれない。

「(まずい……)」

 散々言われてきた事なのに、“気持ち”で負けそうになる。
 容赦なく神達の攻撃が放たれ、あたし達がそれに呑まれそうになって……













   ―――何かがあたし達を掻っ攫った。











「ゆ、優輝さん!?」

 すずかが驚いた声を上げる。
 それもそうだ。あたし達を助けるように連れ去ったのは優輝さんだったから。

「じっとして。今攻撃されたらすぐに消えてしまう」

「消え……?……あ、式神……」

「その通りだ」

 あたし達を両脇に抱えて駆ける優輝さんは、式神による分身だった。
 じゃあ、本物は?と思って、振り返ると……

「ッ……!?」

「嘘……あんなに……」

 見渡す限りの剣、槍、斧、矢、魔力弾、霊術。
 ありとあらゆる武器や術による弾幕がそこにはあった。
 それを操るのは、本体であろう優輝さん。

「結界のある位置に向かう。おそらく、他の皆も集まっているだろう」

「結界……
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ