第7章:神界大戦
第213話「足掻き、集結する」
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ど、その一閃は防がれた。……いえ、無効化されたのが正しいわね。
あたしが炎を纏う霊術を持っているのに対して、すずかも似た霊術を扱える。
炎すら鎮火してしまう氷の鎧。すずかは、それを使って来た。
「―――いいえ、それはこっちのセリフよ」
「ッ!?」
でも、そんなのは予測出来ていた。すずかの事はよく知っていたから。
先程振るったのは、炎の刀だ。フレイムアイズじゃない。
防がれるのを予測していたため、次の行動を早く起こせる。
フレイムアイズに炎を纏わせ、追撃を放つ。
「くっ、ぐっ!?」
その追撃は槍に防がれた。
でも、咄嗟の動きであるそれは、隙を晒すに等しい。
牽制で放たれていた氷の霊術を無理矢理無視してその槍を掴む。
そして、それを軸にすずかを思いっきり蹴飛ばした。
「……スノーホワイト」
〈………〉
「……っ、通りで」
蹴飛ばした事ですずかの手からデバイスであるスノーホワイトが離れる。
すぐさまスノーホワイトに声を掛けるが、返ってきたのはノイズの音のみ。
「(ついでのように、洗脳の影響を受けた……いえ、すずかが何かした可能性もあるわね。どの道、デバイスではすずかを止められなかった訳ね)」
霊力を通して、簡単な再起動じみた事をする。
よっぽどの事がなければ、これで……
〈Reboot〉
「協力してもらうわよ」
〈Understood〉
予想通り、再起動して正常に戻る。
状況は分かっているようで、あたしの協力にも応えてくれた。
「……デバイスの補助がなければ、有利なのはこっちよ。すずか、大人しくしなさい」
「……なんで……?」
起き上がったすずかは、虚空を見据えるような目であたしを見る。
……一瞬、背筋が凍った。
「なんで足掻くの?どうして抵抗するの?だって勝ち目なんてないんだよ?私たちは人で、相手は神様。椿さんよりも格上の相手が、たくさんいるんだよ?」
「っ、すずか……?」
まるで負けを肯定するような言葉。
あたしを揺さぶるため?……いえ、これは……
「アリサちゃんだってそう思うでしょ?本当は勝てる気がしないってわかってるでしょ?どうして抵抗するの?ねぇ、どうして?どうして?」
「っ……」
図星だった。ええ、きっと皆考えている事だった。
目に見えて戦力はこっちが劣っている。
“勝てるはずがない”と考えても何もおかしくない程なんだ。
「……だから、私は」
「洗脳に屈した訳?そんなの言い訳に過ぎないわ。例え絶望的でも、素直に受け入れる訳にはいかないから、あたし達は足掻くのよ」
言い返す。
焦るな。
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