暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第213話「足掻き、集結する」
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ど、その一閃は防がれた。……いえ、無効化されたのが正しいわね。
 あたしが炎を纏う霊術を持っているのに対して、すずかも似た霊術を扱える。
 炎すら鎮火してしまう氷の鎧。すずかは、それを使って来た。

「―――いいえ、それはこっちのセリフよ」

「ッ!?」

 でも、そんなのは予測出来ていた。すずかの事はよく知っていたから。
 先程振るったのは、炎の刀だ。フレイムアイズじゃない。
 防がれるのを予測していたため、次の行動を早く起こせる。
 フレイムアイズに炎を纏わせ、追撃を放つ。

「くっ、ぐっ!?」

 その追撃は槍に防がれた。
 でも、咄嗟の動きであるそれは、隙を晒すに等しい。
 牽制で放たれていた氷の霊術を無理矢理無視してその槍を掴む。
 そして、それを軸にすずかを思いっきり蹴飛ばした。

「……スノーホワイト」

〈………〉

「……っ、通りで」

 蹴飛ばした事ですずかの手からデバイスであるスノーホワイトが離れる。
 すぐさまスノーホワイトに声を掛けるが、返ってきたのはノイズの音のみ。

「(ついでのように、洗脳の影響を受けた……いえ、すずかが何かした可能性もあるわね。どの道、デバイスではすずかを止められなかった訳ね)」

 霊力を通して、簡単な再起動じみた事をする。
 よっぽどの事がなければ、これで……

Reboot(再起動)

「協力してもらうわよ」

Understood(わかりました)

 予想通り、再起動して正常に戻る。
 状況は分かっているようで、あたしの協力にも応えてくれた。

「……デバイスの補助がなければ、有利なのはこっちよ。すずか、大人しくしなさい」

「……なんで……?」

 起き上がったすずかは、虚空を見据えるような目であたしを見る。
 ……一瞬、背筋が凍った。

「なんで足掻くの?どうして抵抗するの?だって勝ち目なんてないんだよ?私たちは人で、相手は神様。椿さんよりも格上の相手が、たくさんいるんだよ?」

「っ、すずか……?」

 まるで負けを肯定するような言葉。
 あたしを揺さぶるため?……いえ、これは……

「アリサちゃんだってそう思うでしょ?本当は勝てる気がしないってわかってるでしょ?どうして抵抗するの?ねぇ、どうして?どうして?」

「っ……」

 図星だった。ええ、きっと皆考えている事だった。
 目に見えて戦力はこっちが劣っている。
 “勝てるはずがない”と考えても何もおかしくない程なんだ。

「……だから、私は」

「洗脳に屈した訳?そんなの言い訳に過ぎないわ。例え絶望的でも、素直に受け入れる訳にはいかないから、あたし達は足掻くのよ」

 言い返す。
 焦るな。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ