第7章:神界大戦
第213話「足掻き、集結する」
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えるが、発動した割には何も起きない。
否、起きないのではなく、起きたのが見えていないのだ。
突っ切ってきた水蒸気に隠れてしまったから。
「ちょっと、いえ、とても痛いわよ!」
「まさか……!」
水蒸気の奥から、徐々に赤色が広がる。
その赤色は炎の色。……“水蒸気爆発”だ。
「っ、ぁああああああああっ!?」
「ぐっ………!」
爆風に障壁で耐える。
手順としてはそんな難しい事はしていない。
すずかの霊術を相殺し続けた事で、上方に水蒸気が溜まっていた。
あたしはそれを利用して、地面から炎を打ち上げて着火しただけだ。
「ぁあああっ!!」
―――“一心閃”
吹き飛んできたすずかに対し、あたしは渾身の一閃を放つ。
すずかに何をするにしても、弱らせる必要がある。
だから、神界で効果を発揮する一閃を使った。
「っ、ぁ……!」
「っ……ふぅっ、はぁ、はぁ……」
激しい攻防があったため、あたしは息を切らしていた。
呼吸を整え、地面に叩きつけたすずかの状態を確認する。
「ッ―――!」
間一髪、上体を逸らす。
刹那、寸前まで首があった場所をすずかの爪が薙ぎ払った。
「ちっ……!」
「あっはははは!!」
すずかがこれまでにない程の笑みを浮かべながら爪を振るってくる。
完全に豹変したわね。これは……
「っ、ふっ!!」
横薙ぎの一撃を受け、その勢いで反転。反撃に転じる。
「(防がれた!)」
だけど、その一撃は氷の障壁で防がれてしまう。
それどころか、反撃に呪属性の霊術が発動した。
―――“呪牙”
「っ!」
防がれた刀を握る手を振り抜き、その反動で飛び退く。
同時に炎を放出させ、集束。弾丸のように放つ。
「くっ……はぁっ!!」
放った炎は巨大な氷柱によって打ち消される。
あたしはその氷柱の側面を足場に跳び、さらに霊力を足場にして、一気に肉薄する。
「っ……!」
「(障壁で軽減してからの迎撃!読めていたわ!)」
そうすれば、すずかが迎撃しようとするのは分かっていた。
別の行動も想定していたけど、その時はもう少し戦闘が長引くのを覚悟していた。
でも、想定通りなら……!
「燃やし尽くしなさい!」
―――“炎纏”
「っ……!?」
「(取った!)」
続けて放たれる呪術の槍。
だけど、障壁を物ともしなかったあたしなら、それは躱せる。
滑るように躱し、体を回転させつつ炎の刀で一閃!
「甘いよ、アリサちゃん」
―――“氷纏”
だけ
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