透明な赤ちゃん
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ひっくり返る音がして、赤ちゃんの泣き声が移動して…、そして、ドボーンっと水音がした。
「と、透明が…。」
「水に落ちた!?」
「じょ…、仗助くん、ミナミちゃん…。」
「ち、ちくしょう! 泡さえ見えねぇ! バシャバシャ音立てろよ!」
「仗助くん…。」
「やかましい!」
「あ…ああ…。」
見ればブルー・ブルー・ローズが、赤ん坊を探すように水の底に現れていた。
「……ごめんなさい。」
「っ、姉ちゃん!?」
「母さんに…、よろしく言っといて。」
私は、仗助とジョースターさんが止めるよりも早く、水に飛び込んだ。
見ず知らずとは言え、赤ん坊を肥やしにされてたまりもんですか!
こんなの物が…こんな物が! 私の精神の具現であるはずがない!
ヒテイしても、ムダダ
うるさい!
ワタシ(私)を、ヒテイするコトは
黙れって言ってるでしょうが!
己ヲ、ヒテイスル、コト
「どこにいるのよおおおおおおおお!」
私は、ブルー・ブルー・ローズの根っこを引きちぎりながら水の中を探し回った。
手は傷ついても…、私からは、青いバラの花は咲かなかった。
まさか…、私自身は、能力範囲外!? 自分の傷を治せない仗助と同じ!?
「ミナミちゃん。わし…。」
「来ちゃダメ!」
「これから、死ぬかもしれんから。その時は、君達のお母さんによろしく伝えといてくれ…。」
「えっ?」
「なにしろ、歳が歳じゃからのう…。」
透明になってしまった片手に、折りたたみナイフが握られているらしかった。
次の瞬間、ジョースターさんは、ナイフで透明になったもう片手を刺して傷つけた。大量の血が水の中に流れ出る。
「何してるの!?」
「ジョースターさん!」
「…色を、付けておるんじゃよ。水に。」
流れ出た血が、みるみるうちに水に広がり、水を赤く染める。ブルー・ブルー・ローズとは違う色…。けれど。
やがて、赤く染まった水の中心に透明な球体のそれを見つけた。
「いた…。仗助!」
「おう!」
クレイジー・ダイヤモンドが、水の中から、透明な赤ん坊を抱き上げた。
「ジョースターさん…。ムチャして…。」
「格好つけたかったかったんじゃよ。お前達の前で。」
ジョースターさんは、そう言って笑った。
ブルー・ブルー・ローズは、その間に消えていた。
その後、赤ん坊は、ジョースターさんにだけ心を開くようなり、少しでも離そうとするとそこいら中を透明にしてしまうようなってしまった。
なので、母さんのところに行くことは保留。透明な赤ん坊のお母さん捜しのため、ジョースターもホテルに滞在することになりました。
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