イタリア料理
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「えっ?」
トニオさんが、意味深なことを言ったと思ったら、なんか頭が…! かゆいって!
「ね、姉ちゃん、ちょっと掻き毟りすぎ! 億泰も!」
「か、かゆ、かゆいって! かかかかかか、かゆい!」
ズルリッ。っと、手になにかがバッサリと乗った。
見るんじゃなかった…。髪の毛だよ。それも頭皮の垢ごと、ごっそりと…。
「んぎゃああああああ!?」
「うぉおおお!? 肩が、肩が、熱い!?」
「やめろ姉ちゃん、ハゲちまうぞ!」
「かゆかゆかゆ…! かゆいんだよおおおお!!」
「ねえちゃーーん!」
私は頭を、億泰君は、肩を掻き毟った。
やがて…。
「あれ? かゆくなくなった…。あ、髪の毛が良い感じ!」
「あ〜〜〜! 肩こり直った〜〜〜!」
最近くせ毛が強くなってた髪の毛がマシになった。
「姉ちゃん…テーブルが、大惨事だぜ…。」
「えっ? うわっ!」
「さっ、髪の毛を掃きますので、ちょっとだけ失礼します。」
笑顔のトニオさんが、ちりとりと箒を手に、ささっと床やテーブルに散乱した、私の髪の毛と頭皮の皮と、億泰君から出た垢の山を掃除した。
っていうか…、この量って…、一回全部抜けた? それで生え替わった?
「…ど、どう思う…。仗助?」
「こ、こいつは…尋常じゃないっていうか、異常だぜ! で…、姉ちゃん、本当になんともないのかよ!?」
「うん…。むしろ、調子が良くなった。信じられないけど。」
「すっげーぜ! このレストラン! あいつは天才だぜ! トニオって料理人はよぉーーー!」
「では、料理を続けます。次は、パスタと、リゾットです。」
異常だけど…、美味しいのは事実なんだよ〜!!
「こちら、娼婦風スパゲッティ。こちらは、ブロッコリーとトマトとニンニクのリゾットでス。」
「これは…。」
「絶対うめぇやつだぜぇ!! けどよぉ…、これ、赤唐辛子、入ってんっすか?」
「はい、入っていまス。」
「なあ、ミナミぃ、交換しようぜぇ。俺、マジに辛いのだめでよぉ…。バー○ンドの甘口じゃないとダメだし、寿司のわさびもダメなんすよぉ〜〜。」
「イヤ。私は、コレ食べたいの。だ〜め。」
「ケチー!」
「辛いのがダメなのでしたら、リゾットにたっぷりと使った黒胡椒もダメなのでは?」
「げー!」
「残念だったわね。」
ふふんっと、一口。
あ、美味しい! ブロッコリーの歯ごたえもあるし、リゾットの米自体もほどよく芯が残っててベチャベチャじゃないし、ニンニクと黒胡椒が利いてて、トマトが引き立つ〜!
美味しさで胸が…、胸が…? あれ?
「馬鹿姉ちゃん! ここまで来てなんで食っちまったんだよーー!!」
「ご、ごめ…。うぐっ!」
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