イタリア料理
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ち着いた声で、言う。
この水は、キリマンジャロの5万年の雪解け水で、眼球内を汚れと共に洗い流し、睡眠不足を解消してくれる水なのだと説明した。
「仗助! ミナミぃ!」
すると、億泰君、すっかり泣き止んでた。
そして眠気が吹っ飛んだと言った。まるで10時間も熟睡して目覚めたみたいにスッキリしたと。
うん…、確かに顔色メチャクチャ良くなってるね…。どういうこと?
呆気にとられている私と、億泰君の前に、トニオさんが料理が乗った皿を置いた。
「こちらは、モッツァレラチーズとトマトのサラダ。そしてコチラは、ゴルゴンゾーラムースとピーチのチコリ添えでス。」
「あ、美味しそう。」
「もっつぁれ…?」
「そう、モッツァレラチーズは、脂肪抜きした、柔らかくて新鮮なチーズのことでス。イタリアでは、みんな好んで食べている、代表的な前菜のひとつです。」
「ゴルゴンゾーラチーズだよね? それにピーチ(桃)? そういえば、甘いフルーツソースを肉料理に合わせるって海外じゃよくあるみたいだけど。」
「ええ。そうですネ。チーズとフルーツは、よく合せますよ。コッテリとしたスープに、甘いケーキを合せることもありまス。慣れないかもしれませんが、味わっていただければその美味しさが分かるかト。」
「じゃあ、いただきまーす。」
「いっただきま〜す!」
「どうぞ、召し上がれ。」
チコリってなんか、白菜っぽい見た目だよね。白菜のすっごく小さい奴みたい。でも全然違う野菜だってことは知ってるよ?
「あっ、美味しい! 塩っ気の強いチーズに、ピーチの甘さが良く合ってる!」
「ありがとうございます。」
「ほんとかよぉ〜?」
「んん…?」
「あれ? 美味しくない? 億泰君。」
「なんつーか、味があんましないっつーか。」
「違う違う! トマトと一緒に食べるんですヨ!」
「なに〜、トマトと、一緒にだぁ? まっ、外国の食い物は、しょせんな〜〜、大抵日本人と味覚が違うんだよな〜。こ〜ゆ〜のはよぉ〜。……うっ! うんまあああ〜〜い!」
おいおい、言ってることとリアクションが違うよ?
そして、テレビで見る料理のレポートとか実況とか顔負けの食レポ言ってるし。
でも、まっ、美味しいのは変わりないけどね。あっ…、あっという間に無くなっちゃった…。
それにしても、頭がかゆいなぁ…。
「あ〜、姉ちゃん、もう食っちまったのかよぉ! 一口ぐらいくれてよかったのに!」
「欲しかったら自分で注文しなさい。」
「く〜、ひでぇ姉だぜ! しょうがいない、俺も一皿注文しますよ。」
「かしこまりました。……しかし…、肩こりが治るのも、頭皮の調子が良くなるのも、それぞれの症状がある方だけですので…。」
「えっ?」
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