由花子と、ミナミの文通相手
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「ところでよぉ〜、姉ちゃん。」
「なに?」
「まだ…、文通してるわけ?」
「してるけど?」
下校途中のポストに手紙を入れてると、仗助が聞いてきたので私はそう答えた。
「なんか悪い?」
「よっく続いてるよな〜って思っただけ。1年ぐらい前からだっけ?」
「そうだけど。」
「いまだに相手の名前も知らないってマジ?」
「まじまじ。」
「それって、どうなわけ?」
「なに? 姉ちゃんが信用できないって?」
「性別も分からねぇ相手とやりとりしてるってのが気になるんだぜ、俺はよぉ。」
「……まったく知らないってわけじゃないんだよ。」
「っというと?」
「苗字だけは知ってる。下の名前は知らない。」
「名前は?」
「な〜に? 疑いぶって? 急にどうしたの?」
「姉ちゃんに変な虫が付かねぇか心配してんだっつーの! 間田みたいな!」
「あの人は別に問題なかったでしょ? 懲りたみたいだし。」
「だ〜か〜ら!」
「そういう仗助だって、いい年なんだから彼女の一人ぐらい作ったら?」
「話を逸らすなって!」
「…キラ。」
「はっ?」
「相手の名前だよ。私が知ってるのは、キラって名前だけ。」
「……なあ、姉ちゃん。」
「なに?」
「……そいつ、もしかして、男?」
「男かどうかは分からないよ? 向こうだって、私の性別も年齢も知らないし。」
「本当かよ?」
「本当だよ。」
「……ならいいけど。けど、変なことがあったら、言えよ? 何かあってからじゃおせぇんだからよ!」
「ありがと。」
私は、素直に嬉しかった。それで微笑むと、仗助は照れくさそうにしていた。
でも…、そういえば…。
「ん〜、でもちょっとこないだ変わったことがあったかな?」
「なに!? 何があったんだよ?」
「ん、別に…気にすることじゃないだろうけど……、猫拾ったでしょ?」
「ああ、里親探したっけ?」
「そうそう。その時の猫の写真を同封したらさ…、返信で……。“とても綺麗な手ですね”て返された。猫に興味なし?ってツッコミの返事出しといたけど。」
「なんだそりゃ?」
「手を褒められたのなんて初めてだから、ちょっとドキッとしちゃった。それだけなんだけどね。」
「トキめき!? ときめいちゃったの姉ちゃん!?」
「びっくりしただけだって。なに言ってんのよ、馬鹿弟。」
「あいて! デコピンは無しだって!」
「仗助が悪い。」
「姉ちゃーん!」
あーもう、うるさい。なんか年々口うるさくなってきている気がするわ。
……まあ、確かにドキッとはしたよ?
だって、外見で、胸と尻以外で反応貰えるなんて初めてだから……。
イヤイヤイヤ! 別
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