虹村兄弟 その1
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
そういえば…っと、私は、通学路にある空き家を見上げた。
洋風な作りだけど、窓は全部なくって、あちこちボロボロ、板も打ち付けられていていかにも廃屋だ。
確か、3,4年前からこんなんだったっけ?」
「ん?」
ふと窓を見ると、誰かがいた。
灯の点ったロウソクの燭台を手にしていて、影になってて顔は見えなかった。
思わず確認しようとジーッと見ていると。
「あれ、姉ちゃん。」
「あ、仗助。」
仗助と広瀬君が来た。
「なにやってんだよ?」
「ん〜、別になにしてるわけじゃないけど、あそこに人が…。」
「ひと〜?」
「仗助君のお姉さん。この家って、空き家ですよね?」
「ミナミでいいよ。同じ東方だし。双子で同い年だから、面倒でしょ?」
「あ…、じゃあミナミさん、さっき人が見えたって…、あれ?」
「姉ちゃん?」
「あれ?」
視線が……やたら高い。っていうか…、あれ? ここって空き家の二階の窓? 後ろに倒れそうになると、気がつけば誰かに後ろから抱きとめられた。顔の真横に、ロウソクの燭台が見えた。
「!? 姉ちゃん!」
「ミナミさん!?」
下から仗助と広瀬君の声が聞こえた。
「えっ、えっ? なに、なに!?」
「お前が、東方ミナミか。」
「ハッ!? ムグッ!」
振り返ろうとしたら、口を手で塞がれて、窓から部屋の中に引っ張り込まれた。
そしてその後、後頭部に衝撃が走り、意識が遠のく。
「…お前のスタンドに用が…。」
っという男の声を最後まで聞かず、私は気を失った。
***
「ぅ…。」
私は痛む体を起こそうとして、気がついた。
両手が後ろで縛られている。
そして、誇りの匂いとカビの匂い…、そして血のにおいがした…。
「よーやくお目覚めのようだな。」
「っ! あんた、誰…?」
「姉ちゃん!」
「仗助? 仗助!」
部屋の出入り口の所に、仗助が血を流して立っていた。広瀬君もなぜかいた。
そして気がついた。
私の周りに、小さなヘリコプターや、戦車、そして小さな軍人達のようなスタンドが凄まじい数いたことに。
「さてと…、手短に用件を言わせてもらうぞ。東方ミナミ。」
「?」
「お前のスタンドを使え。」
「はあ!?」
「そうしないと、大事な弟が蜂の巣になるぞ。」
小さな軍人達のようなスタンドが一斉に銃口と、兵器の発射口を仗助に向けた。
「どうした〜? 簡単なことじゃないか。ただスタンドを出すだけだ。」
「そんなこと…言われても…。」
「ん〜〜? まさか、自分じゃ出せないということか? なるほど、通りで…。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ