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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica47イリュリアが悲願の為〜Wir sind in Berlka geboren〜
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「無理だ。これまでに何度かベルカの環境を再生しようという働きはあった。しかし魔法文明がここまで発達していながら悉く失敗。ベルカの再生は不可能と断じられた」

「それが出来るのだ。どうだ、シュテルンベルクよ。我らはベルカに地に生まれた子同士だ。母なるベルカに帰りたくはないか?」

“シュチェルビェツ”を降ろすと空いている左手に握り替えて、空けた右手を差し出した。それは握手を求めているもので、パーシヴァルの視線が右手に向き、次いで何か考え事をするように天井へ向けられた。

「何も聖王教会を潰そうとは思ってはおらん。聖王教の信者もまた、ベルカの子。ベルカ人は等しくベルカの地で生きて――」

「ふざけるな! 何が等しく、だ! ここまでザンクト・オルフェンを滅茶苦茶にしておいて! 始めから話に乗るつもりはなかったが、今ので解かったよ。お前たちはやはりベルカの面汚しだと!」

――コード・フロガゼルエル――

パーシヴァルは“ロンゴミアント”の穂に銀色の炎を付加し、臨戦体勢に入った。その様にグレゴールは差し出していた右手を戻し、“シュチェルビェツ”の柄を握り直した。

「グレゴール・ベッケンバウワー。お前は、このパーシヴァル・フォン・シュテルンベルクが・・・獲る!」

「ふむ。仕方ないな。ではシュテルンベルクの首、我が獲ってやろう!」

パーシヴァルとグレゴールが交戦を開始した中、キュンナはひとり地下室の転送装置を起動していた。1階から伝わってくる激しい交戦音と振動に、「グレゴールが間に合ったのね」と安堵。

「騎士パーシヴァルの実力は確かですけど、グレゴールの不死性の前には実力なんて意味はない・・・」

古代ベルカ時代より生き永らえているグレゴールの秘密である不死性。当時のイリュリアで研究されていた、不死の騎士を生み出すという生体兵器化研究。その披検体として、グレゴールは見事にその成果を現した。ゆえに外見60歳を保ったままで死ぬこともなく、現代にまで生き延びていた。

『(本部の転送装置とのリンク・・・完了)・・・グレゴール。先に本部へ行きます』

『承知しました、陛下! こちらはもうすぐで方が付くゆえ! しかしご注意を、キュンナ陛下! 向こうには我らが宿敵、オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード。いやルシリオンが居ります。十二分にお気を付けを』

念話でそのようなやり取りを終えたキュンナが転送装置によって隊舎から本部へと移動した。転送室の守衛や出迎えの同志は姿を見せず、ただ静寂だけがキュンナを迎えた。

(やはりもう、ルシリオンによって制圧されてしまった・・・?)

大鎌“ペンドラゴン”の柄を握り直し、警戒しながら転送室を出る。声は出さず、気配を殺し、慎重に廊下を進んでいると、目の前の
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