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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica47イリュリアが悲願の為〜Wir sind in Berlka geboren〜
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立っていた。面倒くさそうに溜息を吐いたパーシヴァルは、“ロンゴミアント”を構えた。
「コード・シャルギエル・・・フォイア!」
初手は氷槍による中距離射撃。偽キュンナはパーシヴァルへ駆け出し、迫り来る氷槍を紙一重で躱した。が、「エクスプロジィオーン!」というキーワードによって氷槍が炸裂。躱したと思い込んでいたらしい偽キュンナ達は、一切の表情や声を出さずに凍結された。
「分身を創る魔法・・・、いや、スキルか。発動に何かしらデメリットは無いのか・・・? だとすればなんて厄介な・・・!」
消滅していく偽キュンナを尻目に、逃げ回っている本物のキュンナを後を追うパーシヴァルは、礼拝堂へと続く両開き扉の前に立った。トラップや奇襲などを警戒しつつ開けようとしたところで、外から悲鳴が聞こえてきていることに気付いた。
「新生ベルカ騎士団の残党か・・・?」
礼拝堂へと続く扉の正反対に位置する隊舎入り口の扉へと目をやるが、外で交戦している他部隊の騎士たちを信じて、礼拝堂の扉を開けようとした時、ガァーン!と大きな玄関扉が音を立てて開けられた。
「っ!? あ、おい!」
2人の騎士が扉を突き破ってきたのだ。うう、と呻いて体を起こせずにいる騎士2人に声を掛けるパーシヴァル。騎士たちは「気を付けて・・・ください」と声を振り絞って、パーシヴァルに注意を促した。
「おお! そこに見えるのは、シュテルンベルクの末裔だな! エリーゼ卿と魔神オーディンの面影を残している! 遺伝子とは実に不思議よな!」
2mを超える巨体を誇る禿頭の老騎士の言葉に、幼少時より読んでいた先祖エリーゼの手記からその正体にすぐに行き着き、パーシヴァルは「グレゴール・ベッケンバウワー・・・?」と、確認を取るようにその名を口にした。
「応とも! 元イリュリア騎士団総長、グレゴール・ベッケンバウワー! そして我が長年の相棒のシュチェルビェツ! 今や新生ベルカ騎士団の参謀、最後の大隊では大隊長ロクエンとは、我のことだ!」
グレゴールは自身と同じ位の長さを持つソードブレイカー状の大剣、“シュチェルビェツ”の剣先をパーシヴァルへと向けて名乗りを上げた。
「イリュリアもしつこいな! ベルカもイリュリアも、疾うの昔に滅んでいるんだ! 大人しく現実を見て、今の時代を生きろ!」
「いいや! ベルカは、レーベンヴェルトは蘇る! そのために最後の大隊、そして新生ベルカ騎士団を作ったのだ! ベルカ再誕こそが我らの最終目標なのだ!」
第2世界ベルカは、長く続いた戦争の末期頃に使用された禁忌兵器によって大地は死に絶え、生命が実らない死の世界へと成っていた。それはベルカが滅んでから何百年と経過している今も変わらずだ。そのベルカが蘇る、そのための組織というグレゴール。
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