第五章
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「そやろ」
「そやな、ほんまに」
「それでその人はな」
ここでだ、イザベルは教師の名簿をチェチーリアと共に見直した。そうして初等部ではなくかつて初等部にいた高等部の教頭であるスケルトンの男トコマ=タカサの名簿のページを指差してチェチーリアに話した。
「この人やろな」
「このスケルトンのおっさんか」
「前年度まで初等部におった」
「見れば教頭先生やな」
「そや、教頭先生となるとな」
それこそというのだ。
「次はいよいよやろ」
「校長やな」
「それがや」
「あの人が校長先生のままでな」
「おるさかいな」
「校長先生になれへんな」
「それやったらな」
どうかというのだ。
「あの人を校長から引きずり下ろす」
「不祥事の責任取らせて」
「今の初等部の教頭先生はまだ若い」
「四十代やからな」
「それやったらな」
「去年まで初等部の教頭やったこの人が筆頭候補や」
「召喚士やないな」
見れば職業は僧侶である。
「それで召喚の術のレベルも低い」
「そやから疑われにくい」
「けれどアイテムを使えば召喚出来る」
「謎はこれで解けたな」
「後は動くだけや」
二人でこう話してだった。
イザベルはチェチーリアと共に高等部に赴きそのうえで職員室で他の先生達と一緒にいたそこの教頭に自分達の推理を突き付けた、すると。
教頭は最初はシラを切ろうとした、だがイザベルは男の左手の腕時計を見て即座に笑みを浮かべて言った。
「ええ腕時計やね」
「何故そこで腕時計の話を」
「時間も正確にわかるし」
教頭は腕時計の話をされるとギクリという顔になった、それで内心ではさらに笑みを浮かべてさらに言った。
「召喚も出来る」
「そういえば」
教頭の周りにいた高等部の先生達も気付いた。
「召喚の腕時計か」
「あのアイテムか」
「あの腕時計は普通の腕時計にも使える」
「外見も普通の腕時計と変わらない」
「我々が持っていても同じだ」
「ならか」
「教頭先生はあの腕時計を使って」
そしてというのだ。
「モンスターを召喚していたのか」
「まさかと思うが」
「ことの捜査にあたっていた用務員さんの指摘通りか」
二人はまだ素性を隠しているので先生達もそう思っているのだ。
「そうなのか」
「次の初等部の校長先生になる」
「この学校の校長先生の立場と名誉はかなりだしな」
「それが欲しくてか」
「腕時計を使ってモンスターを召喚していたのか」
「そうだったのか」
「あたしの言うことも間違いあるか?」
イザベルは京都に会心の笑みで問うた。
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