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ある晴れた日に
552部分:もう道化師じゃないその三

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もう道化師じゃないその三

「部活に顔を出せないけれどちゃんとお仕事はしてるわよ」
「あっ、そうなのかよ」
「学校の空いた時間とかお店でね」
 しているというのである。
「帳簿とか出席とか聞いてやってるから」
「何かしっかりしてるな」
「流石っていうか」
 皆その明日夢に感心するものを感じていた。
「けれどそれなら安心ね」
「そうね。確かにね」
「ならいいか」
 こう言いあってだった。とりあえずそれはいいとしたのだった。
 そうして茜はだ。やはり彼であった。
「で、おめえが俺かよ」
「何か嫌なの?」
「いいや、一応彼女には話しておくしな」
 言いながら自分の携帯を出してだ。メールをするのだった。
 暫くして返事が来た。それは。
「許してくれたぜ」
「よかったわね」
「ああ、っていうか何か全然嫉妬とかねえな」
 そのメールの返信を見て言う彼だった。
「世話をして来いって言ってるぜ」
「それはそうだけれどな」
 それは認める坪本だった。
「まあ。俺が何もしないってわかってるってことだしな」
「何かしたら只じゃおかないわよ」
 今の茜の言葉は本気だった。
「それこそね」
「わかってるさ。まあとにかくだよ」
「私の家に行ってすぐに病院にとって返して」
「飛ばすぜ」
 今度は真面目な顔で言った坪本だった。
「全速力でな」
「警察には注意してよ」
「安心しな。捕まることはねえよ」
 それについても言う彼だった。
「そんなヘマはしねえよ」
「その言葉信じるわよ」
「俺を信じろ」
 自信に満ちた言葉だった、
「何があってもすぐにあいつに届けてやるからな」
「よし、じゃあ放課後に」
「行くわよ」
 また言う茜だった。
「本当にすぐにね」
「ああ。さて、今日はこれでいいな」
「明日のこともう考えておく?」
 千佳が皆にこう述べてきた。
「今のうちに」
「そうだね。じゃあ今度は僕が」
「私も」
 加山と一緒に皆に告げる千佳だった。
「こっちはその百貨店の九州の名産でガメ煮買うよ」
「私は自分でクレープ作るわ」
 彼女はそれだというのだ。
「いえ、広島風のお好み焼きにしようかしら」
「お好み焼きって」
「広島風の?」
「親戚広島にいるのよ」
 このことを皆に話す千佳だった。
「だから教えてもらったの」
「広島風ねえ」
 凛はそれを聞いて腕を組んで微妙な顔になった。
「まあいいかしら」
「ううん、微妙」
 しかし茜は複雑な顔になっていた。
「お好み焼きは大阪じゃないかしら」
「だよな。何か」
「大阪じゃないのか?」
 皆もそっちだというのだった。

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