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ある晴れた日に
551部分:もう道化師じゃないその二

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もう道化師じゃないその二

「階は違うけれどね」
「ああ、やっぱり」
「道理で味が同じだと思ったら」
「それでだったんだな」
 皆それを聞いて特に驚かない。納得さえしている。
「成程ねえ」
「いいっていえばいいわね」
「合理的でしょ」
 にこりと笑ってまた言う明日夢だった。
「お店の奥のエレベーターとか使ってそれで運んでるのよ」
「そういえば何かあったわね」
「そうよね、お店の奥に」
 凛ろ静華も前にメイドとして働いていた時のことを思い出して言う。
「そういうの見たような」
「あれなの」
「そう、あれ」
 まさにそれだという明日夢だった。
「温かいうちに出すのがうちのモットーだしね」
「いい心掛けだね」 
 竹山がそのことに大いに賛成していた。
「それはね」
「そうでしょ。それでうちはピザを出すわ」
 あらためて言う明日夢だった。
「デラックスシーフードピザをね」
「デラックスっていうと」
「あの貝でも海老でも烏賊でも何でも上にある」
「あれかよ」
「それとスモークドサーモンもね」
 明日夢はにこりと笑って言い加える。
「あれなら。あいつの為にもなるわ」
「だよな。身体にいいよな」
「体力もつくし」
「それでいくわ」
 あらためて言う明日夢だった。
「いいわよね、それで」
「全然いいじゃない」
「じゃあ今日も決まりだな」
「ええ。それじゃあ」
 にこりと笑ってまた言う明日夢だった。
「私に任せてね。今日は」
「私も家に帰ってすぐに持って行くから」
「ああ、じゃあよ」
「俺達も協力するぜ」
 春華と坪本が名乗り出てきたのだった。
「バイクで送るよ」
「それで病院までもな」
「いいの?それで」
「バイクでって」
 しかしそれを聞いた明日夢と茜は怪訝な顔で返す。
「わざわざそんな」
「大変でしょ、こっちも」
「いいってことよ」
「あるものは使わないとな」
 しかし二人は笑ったままだった。
「だからな。いいってな」
「気にするなって」
「そこまで言うのなら」
「言葉に甘えるわよ。いいのね」
 二人はその春華と坪本に言った。
「スタープラチナで焼いて」
「それを病院まで」
「飛ばすぜ、少年よ」
 春華が明日夢を乗せるというのだ。
「いいな、一気に行くからな」
「じゃあ御願い」
 あらためて彼女に対して頼む明日夢だった。
「放課後すぐにね」
「ああ、任せておきな。ただ」
「ただ?」
「ボクシング部の方はいいんだよな」
 このことを彼女に問うてきたのだ。
「あんた確かマネージャーだったよな」
「ああ、そっちはちゃんとやってるから」
 しているというのである。

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