ターン13 太陽と月と罪と罰
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勝負どころではなかったのだが。その理由は主に直立する少女の顔のすぐ真横に圧倒的な存在感と共に鎮座する、行儀悪く机の上に腰かけた糸巻の胸のせいである。彼女が呼吸するたびに必然的にそれに合わせてわずかに動く2つの膨らみは、思春期な少女の注意をほぼ全面的に引き付けるには十分なインパクトだった。
そんなことが起きているとは露知らず、男2人のデュエルは今まさに始まろうとしていた。
「まずはこれからだな。俺は手札から、使神官−アスカトルの効果を発動。このターンシンクロモンスター以外をエクストラデッキから特殊召喚できなくなる代わりに、手札を1枚捨てることでこのカードを守備表示で特殊召喚。さらにその後、手札かデッキから赤蟻アスカトルを特殊召喚することができる」
顔の付いた太陽をかたどった杖を手にした半裸の男性神官が現れ、その杖を空に掲げる。すると杖から黄金の光が放たれ、その光に導かれた巨大な赤き蟻がその6本の足をうごめかせながら神官のそばへと歩み寄る。
使神官―アスカトル 守1500
赤蟻アスカトル 守1300
「レベル5の使神官に、レベル3の赤蟻をチューニング。暴虐の太陽昇りしとき、表裏一体の対となる日輪が牙を剥く。シンクロ召喚、太陽龍インティ!」
専用チューナーの元に呼び出されたそのシンクロモンスターは、まさに太陽の龍。先ほど神官が手にしていた杖と同じデザインの太陽の面が宙に浮き、そこから4本もの赤い首が伸びてそれぞれそっくり同じ竜の姿を成した。
☆5+☆3=☆8
太陽龍インティ 攻3000
「『インティ……とくれば、恐らくは』」
「そして魔法カード、アドバンスドローを発動。俺のフィールドからレベル8以上のモンスターをリリースし、カードを2枚ドローする。手札から死神官−スーパイの効果を発動!このカードもまた俺の手札1枚をコストに守備表示で特殊召喚し、さらにスーパイ1体を特殊召喚できる。シンクロ召喚以外でエクストラデッキからモンスターを呼び出せないデメリットも含めて、アスカトルとほぼ同じ効果だ」
太陽の龍がゆっくりとその首を根本の仮面に収納し、残った仮面も地中へと沈んでいく。それと同時に店内の照明も次第に暗くなってゆき、薄闇の中に鬼のような2本角の面をかたどった杖を手にする女神官がその杖によく似た宙に浮かぶ仮面を従えて現れた。
死神官−スーパイ 守1900
スーパイ 守100
「レベル5の死神官に、レベル1のスーパイをチューニング。無慈悲なる月光満ちるとき、表裏一体の対となる月輪が爪を研ぐ。シンクロ召喚、月影龍クイラ!」
同じく専用チューナーの元に呼び出されたもう1体のドラゴンは、先ほど沈んでいったインティに比べるとその体躯はひとまわり小さい。その体色も赤を基調としたあちらと
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