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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン13 太陽と月と罪と罰
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んかガキがどうとか言ってたよな?」
「まーな。遊野なんとかって15、6の野郎だが、これが滅法腕が立つらしくてな。どう聞いても巻の字としか思えない赤髪の女を探して昨夜からこの街のあちこちで聞き込みしては、調子乗って喧嘩売ったうちの若いのを何人もデュエルで返り討ちにしてるらしい。どうせそいつらも酒の入った馬鹿なんだろうが、さすがに何の落とし前もなしってのは俺らも沽券にかかわるんでな」
「ほーん」
「で、だ。そいつがここに辿り着いたのはわかってるんだ、なあ巻の字。大人しくそのガキ、こっちに引き渡してくれねえか?どうせ大した知り合いでもないんだろ」
「ちなみに、嫌だっつったら?」
「まあ、腕づくだろうなあ。俺、巻の字の相手すんのはあんま得意じゃないんだが仕方ねえ」

 小さく息を呑む声がして、朝顔は糸巻の目をまっすぐに見つめた視線を逸らさないままに間違いなく目当ての存在がここにいると確信する。純真な少女は、どこまでも正直者だった。

「やっぱそうなるよなあ。おい鳥居、悪いがちょっとこいつの相手してやってくれないか?」
「んんっ!?げほっ、げほっ……え、俺なんすか?この流れで?」
「悪いがアタシは今駄目だ。いい加減煙草吸ってないから頭が回らん」
「こんのニコチン中毒!」

 一触即発の状態からため息をついた糸巻が振り返ったのは、のんびりと元プロ2人の会話を先ほどもらったお茶を飲みつつ見守っていた鳥居だった。突然の指名にややむせつつも抗議の声を上げる彼に対し、意外にも当の朝顔本人は乗り気だった。

「そうそう、お前さんのことも聞いてるぜ。前回の裏デュエルコロシアムに潜り込んでニューチャンプになった期待の……いやさ、擬態の新人だってな。青木のおっさんもロブの野郎も一筋縄じゃいかない相手なんだが、若いのに対したもんだ」
「げー……俺もすっかり有名人っすね」
「そりゃそうだろうよ。ま、もう俺らの間にもお前さんの顔は割れてんだ。最初の1回はうまくしてやられたが、もう1回潜り込むのは無理だと思っときな。センキューな巻の字、ついでにお前のことも一発かましてこれたとありゃ、俺も臨時ボーナスぐらいは出してもらえそうだ」

 乗り気の朝顔に押し付ける気満々の糸巻、そして変に気を使ってデュエルの邪魔にならないよう離れた位置から遠巻きに3人を見守る八卦。そして、店主の七宝寺と仮にも話題の中心なはずの清明の姿はどこにも見つからない。今この場に、鳥居の味方は1人もいなかった。

「えーいもう、わかりましたよ糸巻さん。やればいいんでしょやれば、俺が相手しますよ」
「おう、そうこなくちゃな。嬢ちゃん、悪いがデュエルスペース借りるぜ。それと今回も「BV」だ、ふっ飛ばされて困るもんは今のうちに退けときな」
「は、はい!」
「ひひっ、その必要はないよ朝顔の
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