ターン13 太陽と月と罪と罰
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け、道は違えどかつての仲間がデュエルモンスターズを悪用などしないということを信じているのかもしれない。
そんなぶっきらぼうな態度から見え隠れするどこまでも甘い彼女の一面を見抜き、朝顔は苦笑いして肩をすくめる。
「へいへい、んじゃ帰りますかね。デュエルポリスとかち合って負けてきたって言っとけば最低限の格好はつくだろうさ。ただ巻の字、できればその遊野なんちゃらにはあんま目立つ真似すんなよって伝えといてやってくれ。後始末押し付けられるのは俺らだかんな」
「気が向いたらな。アンタの方こそ、もしどっかで巴の奴に会ったら伝えといてくれ。アタシがバーーカ、こう言ってたってな」
「巻の字、お前なあ……そんな小学生でも今時やらないような伝言押し付けられる40過ぎのオッサンの気持ち、少しでも考えたことあんのか?ま、気が向いたら言っといてやるよ。んじゃな、嬢ちゃんも元気でな」
「はい!今日のデュエルも大変参考になりました、ありがとうございます!」
「……やっぱ調子狂うなあ。巻の字、この嬢ちゃんにはあんまろくでもないこと教えるんじゃないぞ」
その言葉を最後に、いつの間にかすっかり日が落ちて夜になっていた店の外へと朝顔が出ていく。なんだか疲れが押し寄せた鳥居が大きく息を吐くと、それを合図にしたかのように少年の顔がぴょこっと覗く。
「あ、ぼちぼち終わった?ご苦労様」
「清明?あれ、お前今までどこにいたんだ?」
「外。さっきの人に捕まると大変面倒くさいことになりそうだったからねー」
なんてこともないようにそう述べる彼だが、その状況判断の早さに糸巻は内心うんざりしていた。現状はかなりの要注意人物であると評さざるを得ない言動にもかかわらず、今の逃げ足。ということはつまり、もし彼が精霊に関する妄想癖を拗らせた結果何かをやらかして彼女たちが捕まえる羽目になったとしても、あの危機回避能力をフルに生かして逃げ回られる可能性があるということだ。
つくづく、面倒なことに首を突っ込んだものだ。改めてそのことを実感し、糸巻もまた腰を下ろしていた机から立ち上がり出入口へと向かう。この後に何が起こるのかを考えるだけで、煙草を吸わずにはいられなかった。
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