ターン13 太陽と月と罪と罰
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オウム返しに聞き直す朝顔に対し芝居っ気たっぷりにウインクし、おもむろに高く掲げた指を打ち鳴らす。それを合図に、ビッグ・スターの左右に陣取った2人の団員が飛びあがり空中で交差する。
「『私のフィールドに存在する、闇属性ペンデュラムモンスターであるサッシー・ルーキー及びプリティ・ヒロイン。この2体のモンスターをリリースすることで、このカードはエクストラデッキより特殊召喚できるのです。さあ満を持して今こそ出でよ、融合召喚!千の顔持つ蟲毒の竜!覇王眷竜スターヴ・ヴェノム!』」
そして重々しい音とともに着地する、緑のラインが毒々しく光る紫毒の龍。その攻撃力ははるか上空にまで上り詰めた太陽にはいまだ届かない……しかし、その瞳は一歩も引くことなく直上に輝く太陽の龍を見据えていた。
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻2800
「『スターヴ・ヴェノムは1ターンに1度互いのフィールド、もしくは墓地に存在するモンスター1体を指定することでその効果および名前を得ます。そして今回私が選ぶのは、その隣に立つ我らが花形。ペルソナ・チェンジ……ドラゴンライダー・ビッグ・スターヴ!』」
まるで蔦のような触手を背中から真横に伸ばすスターヴ・ヴェノムに、それをタイミングよく掴んで飛び上がるビッグ・スター。再び体内に猛スピードで収納される触手をロープ代わりにその動きに合わせ宙を舞った花形が、正確にその紫色の背中に飛び乗った。
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム→魔界劇団−ビッグ・スター
「ビッグ・スターとスターヴ・ヴェノムが……合体した!?」
「落ち着け八卦ちゃん、ただの演出だ。あとあの乗っただけっぷりはどっちかっつーと融合だな」
彼曰くドラゴンライダーと化して人馬一体となった2体のモンスターの共闘に、まんまと彼の演出に乗っかった八卦が興奮して叫ぶ。
一方でさすがにプロとしての経歴も長い2人はこのように小手先の演出には引っかかりはしないが、それはそれとしてデュエリストとしての本能が目を離すことなくことの経過を興味深げに見続けていた。
「『さあ、今こそがクライマックスです!ドラゴンライダー・ビッグ・スターヴの効果を発動してデッキより最後の1枚、魔王の降臨を再々上演!たとえ道半ばにして仲間が力尽きようとも……いえ、それだからこそ、竜の力を得て真なる魔王と化したビッグ・スターは決して目的を諦めません。魔王の暴威は空に浮かびしあの星を落とすまで、何度でもフィールドを吹き荒れます!この局面にて魔王の選びし対象は当然、太陽龍インティ!』」
「ちいいっ……!」
太陽と月の蘇生コンボには破壊以外の除去に弱いというほかにもう1つ、ほんのわずかな隙がある。それが、インティとクイラの効果にあるごく小さな違いである。破壊された場合に即座にインティを
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