ターン13 太陽と月と罪と罰
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でも案外何かのきっかけさえあれば、ひょこっと見えるようになるかもね」
「本当ですか!?」
そこで食いついたのが、やはりといえばやはりの八卦であった。精霊が見えるようになるという言葉に、誰よりも純真で眩しいほどに純粋な反応を見せる少女。そんな姿に何を思い出したのか目を細め、かすかな微笑を口元に浮かべて優しい声でしっかりと頷いた。
「結局は、わかんない話だけどね。でも僕はそうだったし、僕の親友もそうだった。精霊の見える目は決して先天的な才能じゃなくて、後から何かのきっかけで開花することもある。それは間違いなく保証するよ」
「へぇ……!」
顔を輝かせて自分のデッキを取り出す八卦。その姿を前にしてまた会話がずれてきたことを察した糸巻がわざとらしく咳払いすると、ややきまり悪そうに清明が頭をかく。
「ごめんごめん、また脱線したね。で、話を戻すと。ふつうそういった精霊は、自分を呼び出すきっかけになったデュエリストと目に見えなくても繋がってるものなんだ。たとえどれだけ持ち主から引き離されてもその?がりがあるからこそ、精霊たちはこの世界に留まっていられる……まあ、これも例外はあるけど。割とよくいるのよね、自分1人でも問題なく精霊としての存在を維持できるぐらい強い個体や、逆に自分の維持に必要なエネルギーが低すぎて、その?がりがなくてもぴんぴんしてるような個体が」
「ん?要するにお前、何が言いたいんだ?」
今一つ先の見えてこない話に焦れてきた糸巻が、一気に核心に踏み込もうとずばり問いかける。これ以上話を伸ばすのは悪手と悟った清明も、すぐにそれに応える。
「悪いねえ説明下手で。じゃあ、もっと要約するよ。要するに、あの幽霊はカードの精霊。だけど、どこをどう探してもそのカード自体の持ち主がいないかなりのイレギュラー存在。あの子がどういうタイプの精霊かはわかんないけど、下手すると近いうちに存在が保てなくなって消えちゃう。だから早いうちに手が打ちたい、具体的にはカード自体を回収して誰かにあげる、以上」
「いや、以上って……まあだいぶわかりやすくはなったな。最初からそう説明してくれ」
「幽霊さん……じゃなかった、あの子、消えちゃうんですか?」
「かもしれない、ね。ただ、今のままだとあんまりよくないことは間違いないかな」
この中では唯一件の精霊を直接その目で見た八卦の問いかけに、ややためらったのち返事する。その言葉にやや安心はしたものの、それでも少女の脳裏にはあの時1瞬だけ出会った半透明の少女の姿が蘇った。
「イレギュラーって、なんか理由の当てでもあるのかい?アンタの話を聞くかぎり、また同じことが起きないとも限らないからな」
「外に出たら宝くじの当たり券拾って宇宙から隕石が落ちてくるぐらい無茶な確率だろうけどね。ただ今回に限
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