第五十三話 おさづけの理その十二
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「あの人もね」
「それで同じお部屋でね」
「随分よくしてもらったっていうわね」
「ちっちいつも言ってるし」
「あの日音が同じお部屋でどれだけよかったか」
私は心からこう思っています。
「本当にね」
「ちっちはそう言うのよね」
「長池先輩とてもいい方だって」
「尊敬している位よね」
「実際に尊敬しているわ。物凄く優しくてしかもしっかりした人だから」
このことは誰にも言えます、あんないい人は滅多にいないです。
「お奇麗だし」
「ううん、ちっちはそう言うけれど」
「長池先輩って怖いのよね」
「ええ、色々噂あるし」
「噂は噂よ。先輩はそんな人じゃないわよ」
私も聞いています、先輩の過去は。先輩ご自身も言っておられましたし。
「私に怒ったことないし二年の人にだって」
「怒ったことないのね」
「いつも優しい人だったのね」
「そうよ、あんな優しくて親切な人いないわよ」
しかも丁寧で気がついてくれる人でした、お陰で私が気付かなくて恐縮してしまったことが何度もありました。
「私どれだけよくしてもらったか」
「ちっちはそう言うけれどね」
「あの人本当にそうしたお話あるから」
「神殿で怒鳴ったりとか高校の正門で待ち伏せして聞こえる様に陰口言ったとか」
「そんなことしたって」
「だから噂でしょ、そんなことする人には」
私から見た長池先輩という方はです。
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