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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
幼馴染との契約
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ないっ! 彩斗はパートナーだから! 断じてカップルとかじゃないから! これホント! ホントのホントよっ! 訂正しなさい! 今すぐ!!」
「あー、はいはい、パートナーねぇ。訂正してやるから騒ぐんじゃねぇよ。喧しくするな」


「んで──」綴はそう呟くと、キンジの瞳を凝然と見詰めた。そのまま彼の胸元のあたりに流し目をしている──彼女はキンジの愛銃であるベレッタM92FSについて苦言を呈すべくしているのだろうことは、この場にいる自分たちも彼自身も、大いに首肯できることだった。


「遠山キンジくんさぁ……違法改造のベレッタ(チャカ)を持ってるってことは、自覚してるよなぁ? 確か装備科の平賀文が改造した『キンジモデル』だったっけ?」
「あ、あのですね。これはッ──」
「まぁ、いいんだけどさ。世の中は結果論だし。だから、今後の君の結果が出ることに希望を抱いて……ってことにしとくか。今回ばかりは没収しないでおいてやる。ただし今後、違法改造の銃の所持が発覚したら、君と改造者の双方に処罰を下すから、そのつもりでなぁー」


どうやら綴はキンジを少なからず期待しているらしい。それもそうだろう。現在はAランクとはいえ、元はSランク武偵だったのだ。彼に実力はあると彼女は判断している。だからこそ零した一株の希望とともに紫煙を燻らせながら、彼女は何かを思い付いたかのように指を鳴らした。
「あぁ、そうだ。こうするか」自分たちを一瞥してから、白雪に向き直って問い掛ける。


「如月、神崎、遠山──全員Sランク経験者だ。ボディーガードはこの中から1人選べ。何処の誰だか分からねぇやつに頼むより、星伽もその方が安心だろ?」
「確かに、そうですね……。分かりました」


白雪は納得したように頷くと、自分たち3人を見回して口元に手を遣った。


「なら、俺がやる。構わないな? 白雪」
「えっ……?」


徐に名乗りを上げたのは、キンジだった。それはアリアは勿論、彼の性格を熟慮している自分すらも驚愕させるに相応しいもので、この一瞬間にキンジの性格を思い返したからこそ「まさか、自発的に志願するとはね……」と零さずにはいられなかった。アリアも軽く頷いた。
綴も頬杖を突きながら「へぇー、自己申告制かぁ」と微笑を浮かべている。「そういえば君ら、幼馴染なんだっけ? ふぅん、そりゃそうかぁ……。ま、良いんじゃねぇの?」そう賛同した。


「キンちゃん……が、私のボディーガードを? 本当にいいの?」
「何でお前に嘘を吐く必要があるんだよ。やるったらやる──」


白雪の真剣きった詰問に気圧されたのだろうか、キンジは視線を逸らしながらも肯定する。
それが彼女にはよほど嬉しかったのだろうか──自分やアリア、綴などは蚊帳の外といったように
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