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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第八幕その十一

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 論文も書きました、そしてお昼ご飯の後で研究室に来たトミーに言いました。
「お姫様に言うことは決まったよ」
「そうなんですね」
「洋食と花火、茶道、ライトアップとイルミネーションだよ」
「その五つだね」
「そう、その五つをね」
「お姫様に提案するんですね」
 トミーも応えます。
「そうされるんですね」
「これはどうかってね」
「いいですね、ただ」
「ただ?」
「よくそこまで考えられましたね」 
 トミーは先生に感心している顔で言うのでした。
「本当に」
「いや、色々考えてね」
「そうしてですか」
「どうかって考えていって」
「そうしてですか」
「太宰治や日本のお城のことを調べていて」
「出たアイディアですか」
「洋食はお姫様達がいつも和食だって思って」
「趣向を変えてですね」
「どれもそこから出ているから」
 だからだというのです。
「そこまでとかいうとね」
「違いますか」
「またね、アイディアはこれまでにあるものから出るね」
「先生の場合も」
「それで僕の知識の中から」
 まさにというのです。
「出てきたものだよ」
「そうですか」
「うん、それとね」
 先生はトミーにさらに言いました。
「来週の日曜日だから」
「また姫路城に行く日は」
「その日はね」
「また皆で、ですね」
「姫路城の天守閣に行こうね」
「わかりました」 
 トミーも笑顔で応えました。
「また行きましょう」
「是非ね」
「そうしましょう」
「そういうことでね」
「来週の日曜ですね。ただ」
 ここでトミーは先生にこうも言いました。
「やっぱり本は読むべきですね」
「知識があるとね」
「そこからヒントも出るので」
「そう、だからね」
 それが為にというのです。
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