第27話
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〜グランセル城・謁見の間〜
「――お初にお目にかかります。クロスベル帝国ヴァイスハイト皇帝が第一側妃、ユーディット・ド・カイエンと申します。このような形での突然の訪問、どうかお許しください。」
「――エレボニア帝国貴族連合軍の”総主宰”並びに”エレボニア側のカイエン公爵家暫定当主”のミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエンと申します。エレボニア帝国で内乱を引き起こした愚かな反逆者の集団の”主”の座を叔父クロワールより引き継いだ身であるこの私がこの場に同席する事、どうかお許しください。」
「――メンフィル帝国大使リウイ・マーシルンの側妃の一人、シルフィエッタ・ルアシアと申します。――――お久しぶりですね、クローディア王太女殿下、ユリア准佐、それにオリヴァルト殿下も。」
ユーディット達はそれぞれ一歩前に出てアリシア女王達に自己紹介をし
「クローディアとユリアさんはシルフィエッタ殿の事をご存知なのですか?」
「オリヴァルト殿下ともお知り合いのようですが…………一体どのような経緯でシルフィエッタ殿とお知り合いになられたのでしょうか?」
シルフィエッタの自己紹介を聞いたアリシア女王は目を丸くし、カシウスは戸惑いの表情で訊ねた。
「シルフィエッタさんとは”影の国”事件で出会ったのです。”影の国”から帰還後、リウイ陛下の側妃として迎えられた事は話には聞いていましたが…………」
「ちなみにシルフィエッタ殿はセオビット殿にとって母君にあたる御方です。」
「セオビット殿の…………確かにお二人はまるで姉妹のように、顔立ちが似ていますな。」
クローディア王太女とユリア准佐の話を聞いたカシウスはシルフィエッタとセオビットを見比べて感想を口にし
「フフ、母は生粋のエルフで私自身は闇夜の眷属とエルフのハーフの為、普通に考えれば血縁関係に見えない私と母が親子や姉妹のように見られる事は光栄ですわ。」
(自然と精霊と共に生きる”森人”とも呼ばれる”エルフ”…………まさに伝承通りの姿ね。)
(そうね…………ラウラさん?どうかされたのですか?)
セオビットの答えを聞いてシルフィエッタの種族を知って呟いたセリーヌの小声に頷いたエマだったが、信じられない表情を浮かべているラウラが気になり、訊ねた。
(ありえないのだ………貴族連合軍の”総主宰”と名乗る人物の護衛にあの方がついている事に…………!)
(ラウラがそこまで驚くなんて一体何者なの?)
信じられない表情で呟いたラウラの答えが気になったフィーはラウラに訊ね
(………ミルディーヌ公女の護衛と思われる蒼灰色の髪の女性の名前はオリエ・ヴァンダール。”風御前”とも呼ばれているヴァンダール子爵家”の当主であられるマテウス・ヴァンダール卿の伴侶にして、ヴァンダール流の師範代も務める人物だ…………
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