400年の時を超え
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「王女様と踊っているわね、彼」
「……」
ナミの不機嫌な様子など我関せずと言わんばかりの口ぶりでアキトとビビへと視線を向ける。
「彼のことが気になるんでしょ?」
「……そんなんじゃないわよ」
ナミはそっぽを向き、ロビンから顔を背ける。
あら、可愛い、とロビンは呟きながらも、彼女の言葉は止まらない。
「確かに彼カッコイイものね」
「……!」
「クロコダイルと渡り合うぐらいに強いし、普段から落ち着いていて、とても素敵だと思うわ」
突如のロビンの独白にナミは瞠目し、勢いよくロビンの方へと顔を向ける。
「彼とは馬が合うと思ってるの、私」
「私の話も真剣に聞いてくれるし、真面目に受け答えてくれるから、つい話し込んでしまうのよね」
彼女の真意が分からない。
ナミはロビンの突然の告白に理解が追い付かなかった。
「今度は私が彼と踊ろうかしら」
「だ、駄目よ……!」
それなら私が躍るわ、と言いたげな様子でナミはロビンへと懇願する。
ロビンはそんなナミの必死な様子に優しく微笑み、冗談であることを告げた。
「なんてね、冗談よ」
「……」
や、やられた……!
してやったり、と言わんばかりにロビンは面白げにナミを見詰める。
ナミはロビンの稚拙な誘導に引っ掛ってしまった自分を恥じ、そっぽを向かざるを得ない。
キャンプファイヤーの傍ではアキトが変わらずビビの指導の下、ビビと踊り続けていた。
「アキトさん、ダンスのご経験は?」
アキトはたどたどしく体を動かしながら、首を横に振る。
拙いステップを踏み、必死にビビの手を握りながら、足を動かす。
「私に身を預けてください」
「……こんな感じか?」
「そうそう、上手いですよ、アキトさん」
ビビの指導を受けながら、アキトはステップを踏む。
どうやらアキトはダンスは得意ではなく、ダンスを一通りこなすにはまだ時間を要しそうだ。
ビビはそんなアキトの新たな一面を見れたことに嬉しさを感じながら、アキトとのダンスを心から楽しむ。
ビビは生まれて初めて王族としてダンスを幼少期に学んでいたことに心の底から感謝した。
ダンスを踊ることが出来る自分を褒めちぎりたい気持ちで一杯である。
社交界に出るためにダンスを学んでいて良かった……!
「ふふ、もっと私に近付いてくれますか?その方が指導し易いですから」
「わ、分かった」
普段の頼もしい姿とはかけ離れ、今のアキトはビビの指導を理解しようと必死に踊っている。
その姿からはアキトの学ぶことへの真面目さが表れていた。
そんなアキトの在り方はビビにとってポイントがとても高い。
「それでは、次は私の腰に手を
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