400年の時を超え
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、過去の先祖の因縁に苦しめられ、黄金郷を求め続けてきた。
明確な証拠など存在しない。
"?つきノーランド"が見た黄金郷を見た者も存在しない。
だが、一つだけ確かなことがあると信じてきた。
”黄金郷”も”空島”も過去、誰一人として”無い”と証明できた者は存在しない。
馬鹿げた理屈だと笑われようが構わない。
笑いたければ笑えばいい。
かつて"うそつきノーランド"は言った。
"私は6年前、ジャヤという島で巨大な黄金都市を見た"
"偉大なる航路に黄金郷は存在する……!"
「おい、こいつは……」
「おやっさん……」
「そうだ、間違いねぇ」
そうか、そうだったのか……
「なァ、マシラ、ショウジョウ、俺達は間違ってなんていなかった……」
"?つきノーランド"は嘘などついておらず、彼は類まれなる正直者だったのだ。
なァ、"ノーランド"よ
「“黄金郷”は、ジャヤはずっと空にあったのか……」
地殻変動による遺跡の海底沈没ではなく、ノーランドが見たとされる黄金郷は存在していた。
400年前のあの日から、ずっとこの空の世界に存在していたのだ。
"大人になることだな、ジジイ"
"黄金郷なんざ空想上の物語が生み出した幻想だ"
"新時代の海賊になりたきゃ覚えておけ"
"幻想は所詮幻想に過ぎねェってことだ!"
「……」
黙れ、夢を見ることも出来ねェ、若造が
人は夢を見る生き物だ
幻想に喧嘩を挑む気概も持たねェヒヨッ子が海賊を名乗るんじゃねェ
「なぁ、マシラ、ショウジョウ……」
煙草を吸いながら、クリケットは重々し気に煙を口から吐き出す。
煙草の煙が宙に漂い、虚空へと消える。
やがて、口元に笑みを浮かべ、クリケットはマシラとショウジョウを見据えた。
「これこそがロマンだ!!」
万感の思いを込め、クリケットは心からの笑みを浮かべ、両腕を広げ、天を仰ぐ。
マシラとショウジョウは小躍りをしながら、互いに抱き合う。
長年追い求めてきた"黄金郷"への確かな証拠を目の前に彼らの胸の高まりは最高潮に達していた。
「良かったですね、クリケットさん」
「……」
そんな中、ビビはとても嬉し気な様子で彼らの様子を眺めていた。
この場へ彼らを導いたアキトはそんなビビの言葉に相槌を打ち、神妙な面持ちで今も高笑いを続けるクリケット達の姿を目に焼き付ている。
長年、夢を追い求めてきた男の姿はアキトにとってとても輝かしいものに見えた。
彼らの心から喜ぶ姿を見れたでけでもクリケットさん達と共に空島に来て良かったと思う。
つい先日、仲間に加わったロビンも
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