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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十二話 両陣営は戦闘後の立て直しに入ります。
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てはならないという彼女の意志があった。
 フィオーナたちは会議を開いた。アスターテはエル・ファシルに近い。今ここでエル・ファシルにいる敵艦隊に合流され、圧倒的な勢いでイゼルローン要塞に進撃してこられれば、勝ち目はない。シャロンの支配以前の自由惑星同盟側であれば、ルッツたちも十分に防ぎ切れる自信はあった。だが、相手ははっきりと物量作戦で来ると宣言している。人間を犠牲にすることを厭わない戦法で来ると明言している。
 流石のイゼルローン回廊とイゼルローン要塞をもってしても防ぐのは不可能。
 フィオーナ、というよりもティアナたちはそう結論付けた。何しろ主将の心理的動揺により判断能力がガタ落ちに低下しているのだ。そこで、フェザーン方面から侵攻する本隊に向けて至急増援を要請する一報を放ったのである。


* * * * *
一方――。

 自由惑星同盟側も無傷ではない。戦線に参加した艦隊も大小の被害を受けていたが、その中でヤン艦隊の被害が最も大きい。
 総司令官直卒艦隊が大打撃を被ったことは、各艦隊に小さくはない衝撃を与えた。それが、ヤンの旗艦戦艦ヒューベリオンでの会議において露骨に跳ね返るに至るまでさほど時を要さなかった。

「ヤン・ウェンリー元帥閣下におかれましては、我々に前線をお任せにあって後方に下がられて艦隊編成をなさった方がよろしいのではないですかな」

 開口一番ウランフ提督が言い、ビュコック、クブルスリー両提督もそれに和した。シャロンの洗脳を受けている諸提督は何も言わない。ことシャロンの賛美かもしくはシャロンを貶める言動がない限りは彼らは無関心の領域を出ることはないのである。
第三十艦隊の司令官コーデリア・シンフォニ―を除いては、だったが、彼女は何も言わなかった。むしろヤンを掩護したのは、ティファニーだった。

「総司令官が前線を不在にするなど聞いたことがありません。ヤン・ウェンリー提督ご自身の指揮があってこそ、戦線は統一されるのですから」
「総司令官の艦隊が致命傷を負ったことは、ご覧のとおり士気に小さくはないことですぞ。これは総司令官閣下自らが軽率にも敵軍に接近しすぎたことが原因ではないですかな」

 ビュコック大将の言葉をヤンは殊更だろうが無表情で聞いている。それを横目で見ながらティファニーは頑強にヤンの参戦継続の必要性を説き続けた。暫くは三提督とティファニ―の間で論戦が続いた。ティファニ―自身にもなぜこれほどまでにヤンを掩護しなければならないかがわかっていなかった。シャロン自身にも指示をされてはいない。ただ、そうしなくてはならないような気がしていたのだ。

「私もアーセルノ中将の意見に賛同します」

 論戦のさ中、ふとしたことで空白ができることがある。それは双方の熱がいったん引くか、あるいは自然の摂理か
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