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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十二話 両陣営は戦闘後の立て直しに入ります。
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ィオ、あなたの本来の姿なのよ」

 親友の灰色の瞳に、わずかに灯がともるのをティアナは見た。降りしきる雪、鉛色の荒野に差し込んだほんの一筋の光を――。消えてしまいそうに儚かったけれど、その光がある限り親友はやがて起き上がるだろうとティアナは信じていた。


* * * * *
 フィオーナの部屋を出てきたティアナは、ふと人の気配を感じて顔を上げた。ただ一人、目の前に佇んでこちらを見ている人影があったのだ。

「ルッツ」

 ティアナは意外そうな声を出した。

「どうして――」
「俺がここにいるのはそれほど意外か?」
「意外ではないわ。司令官としての仕事をするように、先ほど皆に言ったはずだったのに――」
「フロイレイン・ティアナも司令官の一人だろう?自分自身の軍務を放置しておいて大丈夫なのかな」

 ティアナはそれ以上言い返そうとせず、ふっと息を吐きだした。他ならない自分自身も司令官であり、そしてルッツ、ワーレンらと同格の上級大将だったからだ。

「俺がここにいるのは、卿に一つ言っておきたいことがあるからだ」
「何?」
「フロイレイン・フィオーナ一人に重荷を負わせる形になってしまったのは、後方のローエングラム陣営そのものが原因だ」
「・・・・・・・・」

 ルッツも知悉していたのか。ティアナは暗然とする思いだった。

「卿らの教官を非難する気はさらさらないが、結果としてヴァンクラフト元帥閣下の人事が帝国軍に歪みを生じさせていると思う。フロイレイン・フィオーナ、そしてローエングラム公を除いては、誰一人として一個艦隊以上の軍を指揮したことがない。他ならぬヴァンクラフト元帥閣下ご自身もだ。これは由々しき事態だと思わないか?」
「数個艦隊規模の大軍を指揮する人間がそう何人も現れてもらっても困るけれど、でも、あなたの言う通りかもしれない。・・・・一個艦隊は一つの作戦行動を遂行可能な単位としては最大規模。いわばみずからの手足のように動かせば足りる。けれど、数個艦隊規模になれば、それぞれ独立した単位をまとめる手腕が必要。そう言う事でしょう?」
「そうだ。仮にフロイレイン・フィオーナが倒れれば、いずれはそれを引き継ぐ人間がいる。だが、今の状況ではフロイレイン・フィオーナが宇宙艦隊司令長官であり、実質ローエングラム陣営のbQという者もいる。敢えて言うが、俺は特定の者がいつまでもそのような状態にあることは弊害につながるのではないかと思っている」

 ティアナは内心驚いた。ルッツの言っていることはオーベルシュタインが原作で言っていることと同じではないか。

「かといって、俺に今のフロイレイン・フィオーナの地位を継承せよといわれても到底無理だがな」

 ルッツは苦笑に紛らわしながら言った。

「そうね、ほかならぬ
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