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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十二話 両陣営は戦闘後の立て直しに入ります。
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が抜けた様にティアナに揺さぶられるだけだった。

「しっかりしなさい!!」
「私は・・・私の両手は・・・・どうしようもないくらいに血塗れよ。見えるでしょう・・・・?ティアナ・・・・」

 まるで人形のように揺さぶられながらフィオーナがかすれた声で言う。

「何を馬鹿なことを言っているの!?」
「本当よ・・・。私は・・・・これまで多くの戦を経験してきたけれど・・・・こんなにも皆を殺したことなんて・・・・なかったもの・・・・・」
「当り前じゃない!!私も、あなたも、皆そうよ!!」
「違うわ・・・・・」
「たとえそうだとしても、相手に対して大打撃を与えたじゃない!敵の損害は4万を越えているという報告があるし、あのヤン艦隊に対して致命傷を負わせたのは他ならないあなた自身よ!!」

 フィオーナ艦隊が甚大な被害を被ったのは確かだが、それと同等、いや、それ以上の被害をヤン艦隊にも与えたではないか。

「だから何・・・?」
「何って――」

 ティアナは絶句した。親友がこんな言葉を吐きだしたのを聞いたのは初めてだった。そしてティアナは気が付いた。フィオーナが揺さぶられながら頬を湿らせ続けていたことに。

「たとえ自由惑星同盟を何百万殺しても・・・・それですべてが解決できるはずもない・・・・。私、本当に過去の無意味な戦と同じ事をしてしまったのね・・・・」
「無意味!?」

 ティアナは親友の言葉を信じられない思いで聞いた。無意味!?敵味方の損害に意味を見出すなど笑止千万であると彼女自身は思っている。そんなことは後世の装飾家や歴史家に任せておけばいいだけの事。だが、思っていることと口に出すことはまるで違う。総司令官自身が流した血の意味を考えることを放棄することなどあってはならないことと、思っていたからだ。

「たかだか序盤よ。まだ本当に序盤の序盤なのよ。こんな風に一戦交えるたびにあなたはそんな風に部屋に引きこもるの?!そんなことじゃ自由惑星同盟本拠地に攻め込むまでにあなたはボロボロになっているわよ!!」
「・・・・・・・・」
「あなた自身はそれで良くても、あなたを信じてついてきている皆をどうするわけ?!」
「・・・・・・・・」
「あなたを信頼して送り出した教官になんて言い訳をするの!?」
「・・・・教官は・・・私の事なんか考えてもくれなかったじゃない・・・・」
「フィオ?!」

 ティアナは衝撃を胸に覚えていた。あのフィオーナが、教官を直向に信じてここまでやってきたフィオーナが、教官を全否定したのだ。

「私は・・・・もう戦えない・・・・。ここまで背負ってきた重荷に押しつぶされそうなんだもの・・・・。これまでだって私には重すぎたわ。ブラウンシュヴァイク討伐戦も、私には荷が重すぎたのよ。結果として勝てたけれど
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