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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第15話 距離を詰め直してみたり
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「……あ。そういう……え、でも、普段使えないようになってたのは」

「私が預かってたからだよ。簡易カートリッジシステムの銃と一緒に、システムのベースは響のデバイスに、その起動データは私の所に仕込んでたし。
 ……それくらい厳重にしてたんだけどね」
 
 普通にやっては……手には届かないモノに、触れようとするための力。
 まぁ……。
 
「良くも悪くも最後だって決めてたから、あのタイミングで使ったんだろうけどね」

「……うん、本当に最初っから勝ちに来てたら、あれ使ってたよね」

「あはは、違うよ」

 思い返すのは、響が思い描く理想形。叶わない願いの事。
 
「使う気なんて無かったんだよ。申し込まれてから一日掛けて、フェイトさんに勝つシミュレーションしたけど。何しても勝てないって分かっちゃって。
 でも、切り札(ザンバー)を使われた時に、全部を使って勝ちたいって願っちゃったんだよ」
 
 あの日、朝一番に顔を合わせた時に言っていた。
 
 ――駄目だ、逆立ちしたって勝てないってわかった。だから使わないと思うよ多分。
 
 だから、カートリッジシステムを要らないと言ったけれど、あればきっと使うだろうと私が持たせた。 
 そして案の定、ザンバーからの一打をギリギリ躱して、でも掠って動けなくなった時点で発動させて……皆心配したけど。その時の響の顔で察してくれた。
 
 だってさ。昔言ってた自分では絶対に叶わない、理想形そのものと全力で手合わせ出来るんだもん。そりゃ本気でやるよね。
 
「……あんな無茶なシステムを使ってるのを見て、私がやろうとしたのって間違いだったのかな」

「そんな事無いよ。シャーリーさんが皆を想ってやろうとしたの間違いではない。
 私もそれを知ってたら同じことしてたかもしれないし、今回の場合はあっちも思うところがあったんだしさ」

 あらら……何時も明るいシャーリーさんがわかりやすく落ち込んでるなぁ。
 そう言えば、私らが出てる間に響がなんか言ったらしいからそれでなんだろうなぁ。
 
 あの時のティアナは、強さを求めた。でもそれは今ある武器じゃなくて、わかりやすく付け焼き刃の強さを求めちゃった。
 まぁ、そこからそれを実践できるだけのスキルを即席で作って、まだ完全じゃないのにそれを実行して……空回っちゃった。

「……まぁ指揮を取る人ってちゃんと出来てるのかって自覚し辛いし、自分が味方の負担になってるんじゃないかって悩むし、このタイミングでティアナがそうなって、大丈夫なんだって自覚出来たのは良かったと思うよ」

 ……響だってそうなった時があったもんなぁ。
 だから、私達は――
 
「……震離が、なんか頭良さそうなこと言ってる……」

「あ、フィニー
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