第一章
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浮島の上の雲
アルフォンソ=セスペデスとルイス=モンテロッソは今はセスペデスの神託でボリビアポトシの上空にある大きな浮島に来ていた、この浮島に来てだった。
モンテロッソは首を傾げさせてセスペデスに言った。
「こんなに雲が多いとはですよ」
「聞いてへんかったな」
「はい、僕は」
「僕もや」
セスペデスも微妙な顔になっている、そのうえでモンテロッソに答えた。
「ここは乾燥気味の気候でな」
「雲もですね」
「そんなに多くなくてな」
それでというのだ。
「もうこれ見てわかったわ」
「この雲自体がですね」
「神託とな」
まさにこれと、というのだ。
「関係あるわ」
「やっぱりそうですね」
「実際今は降ってへんが」
セスペデスはモンテロッソにさらに話した。
「雨もな」
「ああ、雨雲ですからね」
見れば雲は分厚く暗い色をしている、その色を見れば一目瞭然だった。
「これは」
「それで雨がやたら多くてな」
「困ったことになってますね」
「そや」
実際にと言うのだった。
「これがな」
「そうなんですね」
「ほなこれからな」
セスペデスは冷静な顔で言った。
「このことが神託と関係あるならな」
「神託でありそうな依頼を探しに」
「ギルドに行こうか」
「わかりました」
モンテロッソはセスペデスの言葉に頷いた、そうしてだった。
二人で浮島の中で最も大きな街に入りそこのギルドに冒険者と身分を隠したうえで入って依頼を見ていった。すると。
街の学者から依頼があった、そのセスペデスはその依頼主の学者の名前を見て声をあげた。
「この人かいな」
「ご存知の方ですか」
「こっちの世界のボリビアでは結構有名な学者さんや」
こうモンテロッソに話した。
「ファン=ラビルヘンっていうたらな、地質とか天候のな」
「そちらの権威ですか」
「そや、引退して今はお孫さん達と一緒に住んでるって聞いたけどな」
「それがこの浮島やったんですね」
「そういうことやな」
「そうですか、ほな」
「この雲のこともな」
セスペデス自身が神託ではないかと見ているこのこともというのだ。
「若しかするとな」
「ご存知で」
「依頼出してるかもな」
「ほなここは」
「ああ、この依頼を受けてな」
そしてとだ、セスペデスはモンテロッソに答えた。
「教授に会うか」
「教授さんだったんですか」
「ポトシ大学のな」
「まさにそこで」
「この世界でもポトシ言うたら銀山やが」
中南米最大の銀山として有名で中南米ひいては十星連合の銀山の中でも屈指のものとして知られている。尚労働者は奴隷ではなく普通の坑夫が雇われ危険な仕事は凶悪犯を放り込んで酷使して行わせている。
「大学
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