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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第024話 5日目・2月04日『料理と有限の日常』
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る藤村大河が朝食を棒に振ってまで学園のことを優先して逃げ出そうとするなんて自身の時にはかつて一度もなかったのだから。
………理由はわかっている。だがそれは藤村大河ですら逃げ出すものだというのかとアーチャーにしても俄かには信じられなかったらしい。
そう、今現在テーブルの上にはところ狭しに料理が鎮座されている。だがそれだけならまだいいだろう。
しかし一見ただの豪勢な料理だが、料理を作るものには分かってしまうだろうほどにカロリー計算など一切されていない『大量の油料理』ばかりが並べられているのだ。
その光景に桜はおずおずと頬を引き攣らせながらもセイバーに聞いた。

「………あ、あのアルトリアさん」
「む? なんですかサクラ?」
「その、なにか先輩を怒らせるようなことをしましたか?」
「それは一体………?」
「先輩は怒っている時やなにか悩んでいる時には必ずと言っていい程にとても可愛らしい笑顔ながらもたくさんのこってりとした油系料理を作るんですよ。
しかもそれは冗談じゃないほどに体に残るんです………。
以前に藤村先生と大喧嘩をした時にそれが執行されて先生はトラウマにまでなってしまったんですよ?」
「そ、そうなのですか………」

セイバーはそれで顔を引き攣らせた。
そしてそれを聞いて思わず戦慄していたアーチャーは思った。
藤ねえすら敵わないとは志郎はもはや無敵超人ではないかと………?

………その後、とても嬉しそうに。だがそれでも礼儀作法は忘れずに食事を摂っているセイバーをよそに、藤ねえを筆頭に志郎以外の顔は暗いものとなっていた。
凛すらもこれを食べた時は違う意味で悔しがり今夜の当番制で料理を作る時は中華は本気で挑むことを決意したほどだ。

………
……



戦慄の朝食が終了して藤ねえと桜は嬉しそうな、それでいて泣きたいような表情をして朝食を済ませた後、朝錬に向かう準備をしていた。
なんでもやたら運動がしたいそうとの事で。

「そ、それじゃ先輩。私と藤村先生は先に朝練のために学園に向かいますね………」
「うん。でもそんなに急いで大丈夫………?」
「平気です。今は体を思う存分動かしたいですから!」
「そ、そう………頑張ってね」
「はい!」

さすがの志郎も悪い事をしたなと思うほどには桜の目尻には涙が溜まっていた。

「それとですね。先輩………」
「ん?」

そこで急に桜の雰囲気が変わってどこか寂しそうな雰囲気になり、志郎は思わず心配になり声をかけた。

「………桜? なにか心配事でもあるの?」
「いえ、ただ………少し」
「なんでも相談していいよ。なんたって私は桜の先輩なんだから!」

そう言って背は小さいながらもかなりある胸を叩いて志郎は桜の不安を払拭しようと試みた。
それで
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