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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第020話 4日目・2月03日『幕間 間桐慎二の苦悩』
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ん、よく言われる」

そこで慎二は本心から笑顔を浮かべて魔術師の志郎を認め受け入れて桜を救うために結託したのであった。
それから二人は影ながらも桜を救う手立てを考案する仲になっていき、次第に友人関係にまでなっていった。
穂群原学園に入学後は二人して弓道部に入って切っても切れぬ仲になった。
そんな中、とある事情で志郎がケガをしてしまい弓道部をやめる事態になっていったがこれもいい機会だろうと慎二は桜に衛宮の看病に当たれと命令した。
桜はそれで志郎の看病をするために志郎の家を訪れるようになり志郎と藤村大河のおかげで少しずつだが笑顔を浮かべるようになっていき最近では慎二にも志郎から教わったという料理を作ってくれるようにまでなった。
だけどやはりどこか暗い表情を時折浮かべる桜に慎二は焦っていた。
まだ、救えないのか……とどこか落胆じみた感情が頭を過ぎる。
だけどそんな時に限って志郎は分かっているかのように慎二を慰めてくれた。
それだけが慎二にとって救いだったのだ。
志郎と出会う前までは自己嫌悪の繰り返しでどうにかなりそうだった想いを志郎は癒してくれたのだから。
次第に慎二は志郎に惹かれていくようになっていった。
志郎にも打算的目的はあっただろう。だけどそれをひっくるめて慎二達を助けようと奮闘している。
そんな志郎の想いに惹かれた自身もどうかしていると思いながらも悪い気はしなかった。
だが、そんな日々は終わりを迎える。

「慎二よ…」
「なんですかお爺様…?」

内面では少なからず嫌悪をしている間桐臓硯のことをいつものポーカーフェイスで感情を隠して対応する慎二。
だがそんな隠し事などこの長年生き続けている怪物の前では無造作に等しく、

「呵々…慎二よ。お主は隠しきっていると思うが儂の前ではその甘い考えは無意味だと知れ。雁夜と同じく桜の事を救おうと考えておるのじゃろう?」
「な、なんのことですか…? 僕には…」
「あえて偽るか。まぁよい…。そんな考えができないほどにいつか調教してやろう」
「ひっ!?」

間桐臓硯はその表情を歪める。
と、同時に蟲が慎二の周りに集まりだす。

「慎二よ。お主をここで葬るのはこと簡単な事よ。魔術回路も持たぬお主には対抗できる術などありはしないのだからな」
「っ!」

それで慎二は悔しそうに表情を歪める。
そんな慎二の表情に愉悦を感じたのだろう、間桐臓硯から不気味な笑い声が響いてくる。

「抵抗なぞ無意味。わかったであろう。さて、本題に入るとするかの」

そう言って臓硯は本題だと言って第五次聖杯戦争の話を切り出す。

「そんな…。だって、あれからまだ十年ですよ。まだ早すぎる…」
「うむ。だが前回が中途半端過ぎたのだ。だから周期が早まった。だからな慎二よ。桜を救い
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