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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第020話 4日目・2月03日『幕間 間桐慎二の苦悩』
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た言葉を思い出して慎二は再度心を強く、強固にして桜を救う事を決意する。
だけど魔術の心得はあれど実際に魔術師になれない自身に何ができるのか?
それだけが問題点だった。
そんな時に中学校時代にある少女との出会いを果たす。
少女―――衛宮志郎は慎二の内面を見抜いたの如く、

「ねぇ慎二くん。少しいいかな…?」
「なんだよ衛宮。僕は君と付き合いがあるわけじゃないんだ。だから付きまとわないでくれる?」

最初はいつものように家の関係で集ってくる安い女の一人かと思った慎二は彼女のことを突っぱねた。
だけど志郎はそんな事を気にせずに、

「お節介だというのは分かっているの。でも、君って今誰かを救おうとしているでしょう?」
「うっ…な、なんのことだよ? 僕はそんな奴なんて…」
「うん。素直に話せないことは分かっているの。でも、いつも視線の先では優しそうな瞳で桜ちゃんのことを見ているでしょ」
「ばっ!? そんなわけないだろう! だいたいなんで桜なんだよ。確かにあいつは僕の妹だけどそこまでして…」

慎二は否定していたが、そこで志郎はある爆弾を投下した。

「桜ちゃんをあの家から救おうとは思わない? 御三家さん」
「お前…」

御三家…。そのことを知っているのは聖杯戦争の関係者か魔術師に限られてくるだろう。
そんな内面を察したのか志郎は笑みを浮かべながら、

「私なら手伝えるかもしれないんだ…」
「そ、そんな事を言って僕を誑かそうとしているんだろう! そんなことよりお前は魔術師だったんだな!?」
「うん、そう。でも桜ちゃんを救いたいのは私も一緒。だってあんないつも暗い表情をしている子を黙って見過ごせなんて私には無理だもん」
「どうだか…。どうせ僕に取り入ってなにかしようと企んでるんだろう?」
「ううん。そんなことはないわ。信用されないことは分かっているの。でも信じてほしい。私は決してあなたにとって不利益なことはしないと…。そして本心で桜ちゃんを救おうと思っていることも」

真剣な目で志郎は慎二にそう告白した。
そんな嘘偽りもない眼差しで見られたために慎二は顔を赤くしてそっぽを向きながらも、

「本当だな? 本当に桜を救う手助けをしてくれるんだな」
「うん。今はまだあの間桐臓硯に挑めるほど対策はないから絶対とは言えないけど……でも、良かった」
「なにがだ……?」
「うん。慎二くんの本音を聞けて良かったと思うの。もし外れていたらどうしようかと思っていたから…いつも桜ちゃんにキツく当たっていたから今回の魔術師だという告白は賭けに近いものがあったから」
「お前…そんな危険を冒してまでどうして僕たちに肩入れしてくるんだよ?」
「癖かな…私、見て見ぬ振りだけはできない性分なの」
「お前、変な奴だな…」
「う
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