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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第020話 4日目・2月03日『幕間 間桐慎二の苦悩』
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――Interlude



少年は、昔とある青年に憧れていた。
青年は自身の父より才能があると言われていたらしく将来を有望視されていた。
だけど、青年は家元の魔術を嫌い家を出ていった。
少年はそんな青年に少しばかり失望していた。
なぜ力があるのに家を継がないで自由に家を出ていってしまったのかと。
だけど青年はしばらくして家に戻ってきた。
理由は話してもらえなかったがとても真剣な表情をしていたのだけはわかった。
それからしばらくして青年は白髪になって姿を現し表情も少し、いやかなり歪んでいた。
それは魔術による弊害だと言っていたのを覚えている。
少年はしばらく青年の事を追いかけるようになっていた。
青年の行く先では魔術師の工房でそこにはつい最近義理の妹になったとある少女の姿があった。
青年は何度も『いつか助けてあげる…』と言って少女を抱きしめてあげていた。
少年は幼いながらも思った。
青年は変わっていなかった。
少年の憧れていた姿のままで今度は少女の事を救おうとしていた。
そして行われた大魔術の儀式で青年は命を落とすことになった……。
青年の死の話を聞いて少年は思った。

『ああ、救えなかったんだな…』と。

少年は漠然とだが青年の事を期待していたのかもしれない。
だけどやはりお爺様には逆らえなかったのだ。
だからと少年が思ったのは、青年―――間桐雁夜―――が救いたかった少女―――桜―――の事を今度は僕が、この間桐慎二が救ってやろうと。
だけど慎二はどうやって桜を救うのか見当がつかなかった。
桜はすでにお爺様にあらゆる魔術の試行をされてボロボロだったのは言うまでもない。
慎二が話しかけても桜はただただ無機質に返答をしてくるだけ。
そして、さらに慎二にはとある劣等感があった。
そう、魔術師にとって必要不可欠な魔術回路を有していなかったのだ。
それだけで慎二の心には暗いものがあった。
それが表に現れてしまったのか慎二は内面では桜の事を大事に思いながらもいつもキツく当たってしまうのだ。
いつもキツく当たった後には自己嫌悪に陥り、そんな思いを読まれないためにまたキツく当たる行為を繰り返す。
そんな事を続けていきいつの間にかそれが普通になってしまい慎二はふと間桐雁夜の事を思い出した。
雁夜は言っていた。

『桜ちゃんはこんな暗いところで一生を終わらしちゃいけないんだ。こんな、あの化け物に飼いならされている生活なんて僕には絶対に耐えられない…。だからね慎二くん。君だけは桜ちゃんを見捨てないでおくれ。僕はそう長くない…。だから僕の想いを君に託す。幼い君にすべてを託そうとしている愚かな僕を笑ってくれてもいい。だけど、いつか君の手で桜ちゃんを救ってやってくれ』

その雁夜の最後に聞い
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