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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第019話 4日目・2月03日『新都での一日』
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起こっていないじゃない? まぁ、十年前の連続猟奇殺人事件に比べればマシだけど、それでも事件は起こっているからこれが魔術師によるものならただの警察じゃお手上げだしね」
「十年前ですか…。確かに、あれは酷かったですね。当時のキャスターとそのマスターが次々と子供たちを殺害する光景は見るに堪えませんでした」
「あ、そっか。セイバーも関係者だから当然知っているのよね」
「はい」
「わたしも少しそいつ等に関しては苦い思い出があるから………もう、嫌だったわ」
それで当時を思い出しているのか凛さんにセイバーは二人とも苦い顔をしている。
第四次聖杯戦争の関係者だからセイバーはともかく凛さんはそのマスターに誘拐でもされたのかな…?
………志郎は知る由もないことだが、当時の凛は誘拐された友達を助けに自ら出て行って殺されかけた過去を持つ。
間桐雁夜というマスターのおかげで今も生きられているが、もし彼がいなかったらもう凛もこの世にいなかったことだろう………。
…まぁ、これ以上バス停の周辺で血生臭い話をしているのもあれだからと言う理由で気分を変えてヴェルデ―――所謂ショッピングモールでも行こうという話になったので移動することになった。
それから私達は喫茶店エリアに入ったりして休憩がてら新作のケーキなどを食べたりして一時は楽しんでいた。
聖杯戦争中と言う制約がなければセイバーはもっと楽しめていただろうと思うのはケーキを美味しそうに食べている光景を見れば明らかだった。
ケーキを食べ終わって次はどうしようかという話になった時だった。
「あ、シロ。少し楽しそうなお店を見つけました。行ってみませんか?」
「まぁセイバーがそういうなら」
「そうね」
せっかくのセイバーの我が儘だし付き合おうという事になって一店のファンシーショップへと入った。
「へぇ…。セイバーにお人形の趣味があったなんてね」
「いえ、ただお店の前を通ったら気になるものが目に入りまして…あ、ありました」
セイバーはそう言うとお目当ての商品が見つかったのかいつも冷静な態度とは違い、少しはしゃぎ気味にある人形へと近づいていく。
それは、
「ライオンの人形…?」
「はい。その愛らしい姿は私の心を掴みました。かつて私は小ライオンを飼っていたことがあるのです。その記憶が蘇りまして………あぁ、なんと愛らしい」
ギュッとライオンの人形を抱きかかえるセイバーの姿はまさに女の子だった。
でも、当時と言う事は表向きは誰かに面倒を見てもらったんじゃないかな?
王様が執務の手を割いてまで面倒を見ることはできなかったと思うし。
そのことを聞いてみると、
「はい。当時はそこまで手が回りませんでした。だから過ごしやすくなった現代はとても羨ましいものですね
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