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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第019話 4日目・2月03日『新都での一日』
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二度と叶わないことを夢想しながらもバスは新都へと到着した。
――Interlude
新都に到着する前の凛達との会話内容…。
そして志郎の『兄さんがいれば私はもっと楽しい会話でもできたのかな?って…』というどこか物悲しいセリフ。
その時の志郎の表情は一瞬ではあったが微妙に変化して一言では言い表せないほどのものが籠もっていた。
そして霊体化していてもその言葉は嫌と言うほど聞こえてきた。
………私に大火災以前の記憶が少しでも残っていれば………。
そう、思わずにはいられなかった。
ただただ悔しい思いだけが重ねられていく。
《………で、志郎のそんなセリフを聞いてアーチャーはなにか思ったの…?》
《ッ! 急に念話で話しかけてくるな凛。さすがに察しが良すぎるぞ》
《そりゃねぇ。さすがに志郎の前で兄弟関係の話題は今後は避けようって思っちゃったくらいだからね。で、お兄様としての心境はどうだったのよ?》
《茶化すな、あきらかに嫌な笑みを浮かべているぞ凛。………なに、少しでも記憶が残っていればなとな》
《そっかぁ………》
すると凛とは少しばかり念話のやり取りが途絶える。私の思っていることを聞いてなにを思ったのか…。
《ま、志郎とアーチャーが結構複雑な人間関係なのはわかっていたけど志郎のあんな表情を見るのはさすがに堪えるわよね》
《………ああ、そうだな。できることなら名乗り出たいのが正直なところだが、前も言ったが志郎との大切な記憶を失っている私には名乗り出る権利がないからな》
《そこまで括ることもないと思うけどね。貴方、結構な意地っ張りのようね》
《放っておけ。ただ志郎の悲しい表情を見たくないだけだ》
《そうね…。ま、いいわ。それはそうとアーチャー。志郎も気づいていたみたいだけど家を出る前にキャスターとなんの話をしていたのよ…?》
《それか。まぁ凛にも関係していることだがどこかで気取られるとまずいから時が来たら教えよう》
《ふーん? わかったわ。その時を楽しみにしておくわ》
それで凛は思念通話をやめて志郎達へと話しかけに行った。
志郎は楽し気に笑っている…。
この笑顔を守れるように頑張るとしよう。
Interlude out──
凛さんが新都に着いた途端になにやらあちこちを見回している。きっと魔術的なことをしているのだろう。
私は知識があっても実践できるほどの腕も魔術もないからこういう時は凛さんは実に頼りになるなぁ。
それから数分して、
「は〜………前にもアーチャーを召喚した翌日に来たんだけど、新都の方にはあまり魔術の手は伸びていないようね」
「そうなのですか、リン?」
「ええ。ほら、朝の冬木のニュースでもやっていたけど数名かの行方不明事件くらいしか
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