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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第015話 3日目・2月02日『弓兵の告白と剣兵の誓い』
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不審に思うには十分の出来事だ。
「アーチャー…。遠回しな言い方をして私をいじめないでください…。
言いたいことがあるならはっきりと申して結構です。私は決してあなたを落胆させるようなことはさせません」
「そうか。ならば言おうか。私の正体、真名、その他の事を…」
そう言ってアーチャーは深くため息をついた後に、
「私の、いや俺の真名は『エミヤ』…」
「エミヤ、だと…!?」
「やはりね…」
アーチャーの告白にセイバーは驚愕して目を見開き、反対にキャスターは冷静に事実を受け止めていた。
「私もな。こことは違う平行世界で衛宮志郎と同じく衛宮切嗣に引き取られてのちに聖杯戦争に巻き込まれた出来損ないの魔術使い。
そして本当の名は『衛宮士郎』。志郎の証言が正しいのならば私は志郎の兄に当たるであろう存在だ」
──Interlude next
アーチャーの真名―――エミヤ、いや…衛宮士郎―――という名を聞いた瞬間、体に電流が走ったような衝撃を受けた。
それは、きっと恐ろしいことだ。
つまりはアーチャーの生きてきた世界でも私達が関わった第四次聖杯戦争での爪痕の結果が目の前の男…アーチャーなのだから。
「アーチャー…ではあなたも」
「ああ。凛にはもう話したがおおよそ衛宮志郎と同じ境遇の身の上だ」
「そ、それでは私は………」
それで私は口を再び閉じてしまう。
何を言えばいいのか…?
謝罪して許されるものなのだろうか…?
シロとアーチャー…この兄妹の仲を壊してしまったのは紛れもなく私達なのだ。
こんなことなら聖杯戦争になど参加しなければよかったのでは…?と、自身の願いをも否定しかねないことを考えてしまう。
これでは生前と一緒ではないか。
また悲劇を繰り返してしまっている。
己の存在を消して本当に正しい王の選定をやり直す…、そのためだけにめげずに、心折れずに頑張ってきた。
だが結果、さらに罪を上塗りしてしまっている。
無辜の民を犠牲にしてまで聖杯を求めたのではない。
だが、私はアーチャーの世界でも同じように聖杯戦争に呼び出された。
その事だけが私を苦しめる…。
ああ………私はいくつの平行世界で何人ものアーチャーという人物を作ってしまったのか…?
まるで迷宮のように考えがまとまらない…。
そんな時だった。
「セイバー…。私達のために苦しまないでくれ」
そう言うアーチャーの顔には悲哀の相がありありと浮かんでいた。
その表情だけでさらに追い詰められてしまう。
やめてくれ、そんな表情をしないでください。被害者の貴方がそんな顔をしてはいけない…ッ!
だがそんな事もお構いなくアーチャーは語った。
「セイバー。俺は君や切嗣を決して恨んではいない。むしろ頼もしかっ
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