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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第015話 3日目・2月02日『弓兵の告白と剣兵の誓い』
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志郎や凛に気づかれるようなものだが、そこはキャスターの方が場数も技量も上なので気づかれることなど絶対とはいかないがないだろう。
結界が構築されたのをしり目にアーチャーは壁に背を預けて腕を組み「さて…」という言葉を発し、
「では、少しばかり話し合おうか。なに、我らサーヴァントには睡眠と言う行為は無縁に等しいものだ。だからいくらでも話し合えることだろう」
「そうですね。………それでアーチャー。貴方は私達をこんな場所に連れて来て何を話すのですか?」
「セイバー、あなたもなかなかに鈍感のようね」
セイバーが話を促すように言ったが横やりのようにキャスターがそんな事を言ってきて、「いきなり何のことだ…?」という感想を持ったセイバーは悪くないだろう。
「アーチャーが話したいことなんて大体察することはできたわ。ついでにすでに私もアーチャーの真名は分かっちゃっているのよ」
「なっ…。それはまことですかキャスター…?」
「ええ。アーチャーの真名は―――…」
「待ってくれ、キャスター。そこは私から言わせてもらいないだろうか…? セイバーにも順を追って説明していきたい」
キャスターが言いかけたがそこでアーチャーが自ら告白すると言って、キャスターは「ふふ…わかったわ。この場では私はただのお邪魔虫さんですからね」と言って引き下がっていった。
キャスターが引いたのを合図にアーチャーは土蔵の中を見回しながら、
「まずは本題の前に私の事を話そう。しかし、この土蔵の中は懐かしいという感情を思い出すようだよ…」
「懐かしい、ですか…?」
「ああ、もうなにもかも過去に置き去りにしてきてしまったがこの場所だけは忘れたりしない。セイバー、君はそこの魔法陣で召喚されたのだろう…?」
そう言ってアーチャーはまだセイバーが召喚された魔力の嵐の余韻が残されている魔法陣を見やる。
「え、ええ…。確かにそうですが、なぜアーチャーがそのことを…」
「私もな。もうほとんどの記憶は摩耗してしまったがこの場所で起きた事だけは覚えている。
ランサーのサーヴァントに襲われて逃げ込んだこの土蔵の中で『こんなところで死ねない。こんな意味の分からないことで死んでたまるか』と思った次の瞬間に君が召喚されて私を助けてくれた…」
独り言のように語りだすアーチャー。
しかしセイバーは今混乱の渦の中にいた。
私にはそんな記憶はない。
これはアーチャーの世迷いごとなのだろうか、と。
「おそらく君は今『世迷いごとだ』とでも思っているのだろう…?」
「ッ…!」
見透かされている。
セイバーは口を慎むしかできないでいた。
と、同時に目の前の男に恐怖の感情を覚えていた。
自身のあずかり知らない記憶。
まるで自身を知っているかのように話す男。
これだけで
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