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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第005話 2日目・2月01日『学園での死闘』
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槍を弾いて私の前まで後退して剣を構えた。
「予測はしていましたが、やはり貴殿には矢よけの加護が備わっているようですね」
「なんだ? お前らも俺の正体に気づいているってのか?…ったく、これだから有名すぎて困るぜ…ならば食らうか? 我が必殺の一撃を…」
「いえ、今回は本来様子見で来ましたのでそれは受けるわけにはいきません」
「ええ。だからランサー、今日は引いてくれないかな?
それにそろそろ第三者がやってくる…私はまだ彼女には正体を明かしたくないの。
それにあなたも性分的に邪魔が入らない戦いの方がいいでしょ?」
ランサーはそこで驚いた顔をしたがすぐにニヤッと笑みを浮かべて、
「お嬢ちゃん、なかなか俺の性格理解してるじゃねぇか。気に入ったぜ!
さっきの言葉は撤回だ。お前はいい女だ。だから今回は奴らの足止めをしてやるぜ。
先ほどの正確な弓捌きといいセイバーといい、今度会うときはお前らとは本気で戦えそうだからな!」
「ありがとう、ランサー。でもおだててもなにもあげないよ?」
私はニッコリと笑顔を浮かべてランサーの口説き紛いを袖に振った。
「くっ! はっはっは! これはいい! やっぱお前はいい女だぜ。じゃあ次会うときを楽しみにしておくぜ。さっさといきな」
「それでは…マスター、いきますよ」
「うん。お願い、セイバー」
そして私とセイバーは今出せる最大のスピードで校舎を後にした。
脱出中に、
「しかし、ランサーのサーヴァント…あのように飄々とした態度をとっていましたが隙は一切感じられませんでしたから強敵になるでしょうね」
「うん。でも私としてはもう一体のサーヴァントの方が気になったかな?」
「なぜですか、シロ?」
「うん…あのサーヴァント、多分だけど生前は私と同じ投影魔術師だと思うの」
「なっ! それは一体…?」
「彼が使っていた武器、干将・莫耶は中国で有名な宝具の一つなんだけど担い手の伝承は一つも聞いたことがないし、それにランサーが砕いたと同時にすぐに手元に出現させていたでしょ?
それも一回や二回じゃなくて二桁はゆうに越えていたから…そしてなにより宝具の数はそれこそまばらだけど英霊一人でも持つ数は二、三個が限界だと思ったから…」
「確かに…でしたら正面から挑んでくるランサーよりも厄介な敵になりうる可能性が大ということですね?」
「そう。私の予測が正しければ他にも宝具は持ってそうだから。遠坂さんはアーチャーって言っていたからもし戦うとしたら今のところ一番厄介ね」
「そうですね。ふぅ…前回のアーチャーといい、どうしてこのクラスはこうも曲者が揃うのでしょうね?」
「前回のアーチャー…?」
「ええ。いえ、今はもう関係ないことですからお忘れください。それより早く予定していた場所に向かいましょう」
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