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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第004話 2日目・2月01日『聖杯戦争の真実』
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の悪《アンリ・マユ》』は聖杯にそのまま残ってしまって中身を汚してしまった。
そしてそのことに気づいたお父さんは絶望して、だけど聖杯を完全に呼び出したら『
この世全ての悪
(
アンリ・マユ
)
』の呪いが世界を覆ってしまうことに気づいたから聖杯を破壊した。
だけど、それでも聖杯から零れてしまった泥は防ぐことが出来ずに起こったのが10年前の500人以上の死者を出した新都の大火災…」
「なっ!?」
「…………」
セイバーは驚き顔を青くしていて、キャスターは神妙な顔をしていた。
「それでは聞きますが志郎様? もしその穢れた聖杯に願いを言ったらそれは叶わないのですか?」
キャスターもさすがにそこには意見を述べてきた。
当然だ。
セイバーもそうだけどキャスターも願いのために聖杯戦争に参加したんだから。
「いえ。叶うことは叶うとお父さんは言っていました。
でもきっと逆の事象が発生して『全てを救う』が裏返って、例えば『全ての死による救済』と言った感じのなにかしらの歪んだ願いに変わってしまうとも聞きました」
「そ、そんな…では私は…」
「そしてお父さんは聖杯の泥により死の病に蝕まれて私を引き取った5年後に他界したんです」
「キリツグは、死んだのですか…?」
「はい。お父さんから、もしまたセイバーに会うことがあったなら代わりに伝えてほしいという伝言があるの。『すまなかった…』と」
そのことを伝えて、とうとうセイバーは無言になって俯いてしまった。
だけどすぐに顔を上げて私を見て、
「で、では。シロ、あなたはキリツグが死ぬ5年前に引き取られたと言いましたね…もしや…!」
「たぶんセイバーの想像通りです。
私は10年前の大火災の数少ない生き残りの一人…お父さんが持っていたセイバーの鞘『
全て遠き理想郷
(
アヴァロン
)
』を体に埋め込まれて生きながらえたんです。
だけど私は決してお父さんもセイバーの事も恨んでいません。
確かにその大火災で親、家族、友人…そして記憶、名前すらも失ってしまいましたけど、聖杯を破壊しなければそれ以上の被害が出たのは目に見えていますから。
だから、セイバー、キャスター…出来ることなら私の協力をしてほしいんです。私の願いはありませんが目的はあります」
「それは、もしかして聖杯の…?」
「はい。二度とこの地で聖杯戦争を起こさせないために大聖杯の完全破壊…10年前の悲劇はもう繰り返すわけにはいきませんから!」
「………はい。私は一向に構いません。此度の聖杯戦争は諦めることにいたします。
そして、それでシロや死んでいったもの達に償いが出来るとは思いませんがせめて元凶だけでも!」
セイバーは力強く答えてくれた。
「ありがとう、セイバー。それでキャスターはどうする? 私は強制はしないから貴女が決
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