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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第001話 『プロローグ』
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じさんは立ち止まって、

「おっと、大切な事を言い忘れていたね。うちに来る前に、一つだけ教えなくちゃいけないことがある」
「なに、おじさん?」
「僕はね、魔法使いなんだ」

おじさんは私に向かって真剣で、だけどどこか砕けた表情をしながらそんなことを言ってきた。

「わぁ、おじさんすごいね!」

私は冗談を言っているのかもと思ったけど本当だったらすごいな、と思って率直にそんな言葉をいった。

「そうだろう?と、そうだ。それより紹介がまだだったね。僕の名前は衛宮切嗣。
そして君の名前だけど、勝手だとは思うけど君のお兄さんから取らせて考えさせてもらったんだけど、いいかな?」

私はとくに否定はしなかった。
兄さんの名は私にとって唯一の思い出。
それを少しでも名乗れるのはある意味誇りでもある。
そして、それどころか真剣に私の名前を考えていてくれた切嗣さんに感謝したいくらいだった。

「それで名前なんだけど、お兄さんの名前を少し変えて女の子らしく『志郎(しろ)』ってしたんだけど、どうだい?」
「シロ、しろ、志郎(しろ)……うん! ありがとう切嗣さん!」
「よかった。気に入ってもらえて。正直不安だったんだよ」
「ううん。いいの。これで兄さんといつまでも一緒にいられるから」

私は多分、今は満面の笑みを浮かべているんだろう。
自分でも顔がほころんでいるのがわかる気がする。
だけど切嗣さんはどうしたんだろう?急に顔を赤くしている。

「志郎…それは、その笑顔はあまり他人に見せない方がいいよ?」
「どうして?」
「いや、わからないなら別にいいんだ。さ、それじゃ今日から君は『衛宮志郎(しろ)』で僕の娘だよ」
「うん、お父さん!」
「ぐはぁ……!」

だから、どうしたんだろう? 今度は頭を抑えている。
それから私とお父さんは大きな武家屋敷で暮らすことになった。
最初は大きくて広いお屋敷だと思ったけど、一ヶ月もすれば住めば都というように勝手知ったる我が家のようになにがどこにおいてあるのか把握した。
そしてお父さんになんで魔法使いなの?と聞いてみたらまるでしまったという表情になり、

「ほんとはね、僕は魔術師っていうんだ」
「そうなの。ね、それって私でも使えるの?」
「え……そ、そうだね。でも魔術師になるってことは常に死と隣り合わせの世界に入るという事だよ?」


と、いって最初は断られたが、私もお父さんのように人を助けられるような人になりたいといって何度も頼み込んだ。
そしてとうとうお父さんは「負けた」といって、私に魔術を教えてくれるようになった。
最初は魔術回路(マジックサーキット)の回路生成。これは魔術を習い始めた初日に難なくクリアして、自身の属性などを身に付けていった。

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