五十一匹目
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ってた黒字ラインを早々に超えてたにゃ」
「まだ売れそうだから早めに袋詰めするにゃ」
テキパキと働いている四人の元に雇い主が来た。
ケンタウルスに乗り、腰に剣を挿している。
「や、頑張ってる?」
トン、とシラヌイが降りる。
その時シラヌイを乗せていたケンタウルスのリィンが少し残念そうな顔をした。
「シラヌイ様ー!」
「ご主人様!」
「売れてますー」
「黒字だにゃー」
シラヌイは四人それぞれの頭を撫でる。
「そうかそうか」
そこで売り子の一人が気づく。
「ご主人様、血の匂いがします」
「ああ、これはさっきあっちの通りの屋台で騒ぎを起こしたバカ共が居てね。
僕が少し懲らしめたんだよ」
シラヌイが服についた血を見せた。
「私がやると言っても聞かなかったんです。坊っちゃんはやんちゃですねぇ」
リィンがやれやれ、とジェスチャーをする。
「僕の部下が怖がってたんだから僕がやるべきだろう」
「まー、それが道理ではあるんですが。それでも私はタマモ様の騎士として坊っちゃんを護るよう言われてましてね?
私にも私の道理があったんですよ」
「わるかったよ…」
バツの悪そうな顔でシラヌイが謝った。
シラヌイが猫っ娘達に向き直る。
「じゃ、残りの屋台も見回ってくるよ」
「「「「いってらっしゃいませ、ご主人様」」」」
シラヌイがトン、とリィンの背に乗る。
「あ、そうだ」
シラヌイがアイテムボックスから筒を取り出した。
「お前達。水魔法使えるよな?」
「使えますよ」
「ないとこまるもん」
「ならこれを渡しておく」
シラヌイが投げた筒には、球が縦に三つ入っている。
スライム・コアだ。
「ティアが調伏したスライム・コアだ。もし何かあったならばこのガラスの筒を割って中のスライム・コアに水をあげるといい。
そうすれば心強いガーディアンが助けてくれる」
「ありがとうございます!」
と四人のうちの班長が礼を言う。
「なに、防犯は義務だよ。よし、出してくれ、リィン」
「だしまーす」
カツカツとリィンの蹄が石畳を叩く。
売り子四人が見送った。
四半刻前、別の通りにて。
「おいガキィ。誰に断ってここで商売してやがんだ!」
「ひゃっ!? お、御役所の書類ならご主人様がもってます!」
「ほー? ご主人様なぁ? 役所だぁ? ああ、そうだな。役所の書類は大事だ。
でもよぉ、ここら一帯を治めてる俺様に挨拶もねぇたぁどういう事だ?」
シラヌイが作った屋台でポップコーンを売っていた第二班はガラのわるい連中に絡
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