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少年は魔人になるようです
第122話 翼は?がれるようです
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「『罅ぜよ』―――!」


奴の手に光の玉が現れた瞬間、咄嗟に攻撃を仕掛ける。

だが今度は霞の鎧の様に目前で掻き消されるのではなく、弾けて防御されてしまう。

攻撃は防御無効一撃必殺全体攻撃の上、防御も絶対的で変幻自在。

現状の俺達では突破も防御も打つ手無しだ。


「"個体名 愁磨・P・S・織原及びノワール・P・E・織原の能力を剥奪、初期化する"――!」
ブチブチブチブチブチブチブチィ!!
「ぐうぅあああああああああああああああああああああああ!!」

「きゃああああああああああああああああああああああああ!!」


一際眩く光の玉が弾けると、体中が内側から引き摺り出されるような――ではなく、

実際に、内側から何かが無理矢理引き摺り出されて行く。

それは単に魔力や能力と言うものだけじゃない。培った経験、肉体の鍛えた分、今までの

痛み(耐性)までもが、根こそぎ毟り取られる。この、ただの"人"になる感覚―――

成程、力を行使していた俺達だからこそ余計に、絶望感がある・・・!


「さぁ、まずは貴様からとしよう。」


次の瞬間、目にも止まらなくなった速さでノワールの目の前で槍の様な物を構える主神。

たった2、3mの距離を詰める所か、鈍くなった反射では反応する事も出来ず―――


―――どしゅっ


と、ノワールと・・・いつの間にか、俺の背にも槍が突き立てられていた。


Side out



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