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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
外伝〜想定外の起動者〜 後篇
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「そしてアルスターの民達を護る為に、兄様達は”黒の工房”の使い手達と戦いましたが、逃がしてしまい…………その事に兄様が悔しがっているご様子を見て、私は改めて思ったんです…………私にも、姉様やセレーネのような険しい道を歩む兄様を支える事ができる”力”があれば…………と。そう思った時に、エル・プラドーの声が聞こえたんです…………」
「そうだったのか…………」
エリスの説明を聞いたリィンは静かな表情で呟き
「……………………エル・プラドー、こんな自分勝手で卑屈な私が貴方の”起動者”になって本当によかったのでしょうか…………?」
エリスは振り向いて辛そうな表情でエル・プラドーに問いかけた。

「我はエリスに”起動者”の”資格”があると判断し、”試練”を与え、エリスは”試練”を超えた為、エリスを我の”起動者”として認めた。そして”我自身”は例えどんな理由があろうとも、誰かを守りたいというエリスの気持ちは決して間違っているものではないと判断する。」
「エル・プラドー…………」
エル・プラドーの答えにエリスは目を丸くし
「――――――エリス。これは”鬼の力”に迷っていた俺に子爵閣下が向けた言葉なんだが…………――――――『力は所詮、力。使いこなせなければ意味はなく、ただ空しいだけのもの。だが――――在るものを否定するのもまた”欺瞞”でしかない。畏れと共に足を踏み出すがよい。迷ってこそ”人”――――立ち止まるより遥かにいいだろう。』…………それはエリスも同じなんだと思う。」
「ぁ…………」
リィンの言葉を聞くと呆けた表情を浮かべた。

「俺だって未だヴァリマールの”起動者”として相応しい事に自信が持てない。だから、これからはお互いの騎神にとって相応しい”起動者”になれるように、支え合い、時には迷ってくれないか?」
「兄様…………はい…………!」
リィンの言葉にエリスは呆けた後嬉しそうな表情で頷き
「貴女が抱えていた悩みに気づかなくて、ごめんね、エリス…………」
「わたくしもエリスお姉様と同じお兄様の妹として、エリスお姉様の悩みに気づけなくて、申し訳ございません…………」
「姉様…………セレーネ…………どうか、謝らないでください。お二人に相談しなかった私にも否があるのですから…………」
エリゼとセレーネにそれぞれ謝罪され、抱き締められたエリスは呆けた後二人の気遣いに感謝しつつ二人を抱き締め返した。

「やれやれ…………フム…………それにしても、”騎神”か。機会があれば――――――いや、今の内にせめてデータだけでも取っておくべきか?」
「エイダ様…………今の言葉で雰囲気がぶち壊しですの。」
「まあ、エイフェリアが壊さなくてもリセルが壊す可能性も十分考えられましたが。」
「アルちゃん!?私は”魔導巧殻”や”魔導操殻”
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