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戦国異伝供書
第四十八話 去った後でその五

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「だからな」
「何とかですな」
「そうじゃ」
 今川家と織田家が争っているうちにというのだ。
「先に進むのじゃ」
「そうされますな」
「そうしていく、だからな」
「北条殿、今川殿とですな」
「手を結んでいきな」
 今川家とだけでなく北条家とも、というのだ。
「西に向かうぞ」
「わかり申した、それでは」
「しかし。こう考えるとな」 
 どうにもとだ、また言った晴信だった。
「長尾家とはですな」
「やはりぶつかりたくないですな」
 穴山も言ってきた。
「上洛のことも考えますと」
「足止めは受けたくない」
「左様ですな」
「そう思うがやはり国を接するとぶつかる」
 その相手と、というのだ。
「ある程度戦うのは仕方ない」
「では」
「そうじゃ、そのことも頭に入れてな」
 そうしてというのだ。
「ことを進めるぞ」
「その様に」
「皆とかく政を進めるぞ、そして日々はな」
 戦のない時のこともだ、晴信は話すのだった。
「各自でじゃ」
「武芸と学問にですな」
 信繁が応えた。
「励むべきですな」
「そうじゃ、その両方にじゃ」
 まさにというのだ。
「励んでじゃ」
「己を磨くべきですな」
「今川殿はじゃ」 
 義元、彼はというと。
「和歌に実に堪能じゃ」
「和歌もですな」
「詠めぬとな」
「武士としては」
「やはりよくはない」
 当然備えているべきもであるからだ。
「だからわしもよく歌会を開いておるな」
「左様ですな」
「出陣前でもな」
 これが縁起付けでもある、戦の前に連歌会を行うと戦に負けないと言われているから多くの大名が開くのだ。
「そして陣中でもな」
「余裕があれば開かれていますな」
「これはな」
 やはりと言うのだった。
「縁起でもあるが」
「武士としてですな」
「歌もな」
「必要だと思われるからですな」
「開いておるのじゃ」
 その様にしているというのだ。
「わしもな」
「そういうことですな」
「だからな」
 晴信はあらためて述べた。
「皆もじゃ」
「暇を見つけてそのうえで」
「武芸の鍛錬は当然としてじゃ」
「学問も忘れてはならぬ」
「兵法の書や軍記ものを読み」 
 そしてというのだ。
「他の学問や歌にもな」
「励むべきですな」
「武芸は弓や槍も大事じゃが」
 それよりもというのだ。
「馬と水練はな」
「特にですな」
「何があっても励むべきであろう」 
 この二つはというのだ。
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