第八幕その一
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第八幕 ヒント
先生は皆と一緒に姫路城のお姫様から頼まれた宴のことを考えていました、その中で王子と冬の花火のことから向日葵や朝顔のことをお話してです。
翌朝です、先生は動物の皆に研究室で言いました。
「冬の花火は今は奇麗だし意味がある」
「今の日本ではそうだね」
「元々供養とかの意味でだよね」
「日本の夏に打ち上げられる様になったんだよね」
「お盆もあるし」
「そうした宗教行事でもあって」
「そうだったから冬の花火はね」
それはというのです。
「意味がないとか場違いとか合わないとか」
「そうした意味になってたよね」
「昨日王子とお話していたけれど」
「昔はそうだったね」
「かつては」
「うん、けれどね」
それでもと言う先生でした。
「ここから閃いたよ」
「宴のことで?」
「そのことでだね」
「先生閃いたんだね」
「そうなんだね」
「そうなったよ」
実際にというのです。
「ここでね」
「それでどんな閃きかな」
「一体」
「閃いたっていうけれど」
「その閃きはどんなの?」
「宴の時に花火も打ち上げるんだ」
歌や舞、能や歌舞伎だけでなくというのです。
「こちらもね」
「ああ、今の季節でも」
「夏じゃないけれど」
「スキー場みたいに打ち上げる」
「そうするのね」
「お姫様達は昔から日本におられるから」
それも何百年とです。
「だから花火は夏という意識が強いね」
「最近の日本のことは知っていても」
「それでもだね」
「その意識が強いけれど」
「そこをあえてだね」
「そう、打ち上げるんだよ」
その花火をというのです。
「是非ね」
「ああ、それはいいね」
「花火は奇麗だしね」
「それじゃあね」
「提案しようね」
「これはいいね」
笑顔で言う先生でした。
「太宰治からいいヒントを貰ったよ」
「こうしたことからも考えると本っていいね」
「やっぱり読むべきね」
「本を読むと得られるものが多いね」
「本当に」
「全くだよ、太宰さんの本を読んで」
そしてというのです。
「その結果だね」
「それでだね」
「今回のヒントも出たね」
「いやあ、太宰治さんに感謝しないとね」
「そう思えるわね」
「全くだね、ここはさくらんぼをプレゼントしようかな」
先生は笑ってこうも言いました。
「太宰にね」
「あれっ、何でさくらんぼ?」
「どうしてなの?」
「さくらんぼって」
「何で先生お話に出したの?」
「太宰治の命日は昭和二十四年六月十三日なんだ」
このことからお話する先生でした。
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