五十匹目
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「ストリートチルドレンを大量に捕縛したそうね、何があったの?」
ルイス達を迎え入れた翌日、登校するとくーちゃんにきかれた。
「秘密だよ、秘密」
「ふーん……」
「まぁ、そのうちわかるさ」
「そ」
この会話の間、くーちゃんはずっと僕の尻尾をもふもふしていた。
「「………………………」」
臣下二人が睨んでいる。
「くっ…なぜぬいちゃんは私の膝に来てくれないの…?」
「こうなれば狐君を奪って翼に隠すしか…」
「ふっ、わたしがそれをさせると思って? シャクティ」
「はいはい、教室で暴れないの」
その日も突っ掛かってくる猿をあしらいつつ授業を終えた。
で、放課後。
三人が家に来た。
「おー……見事に猫ばっかりだな」
シャクティが子供達を見て感想を漏らした。
「お、お帰りなさいませ、ごしゅ、じん様」
何故かメイド服を着たルイスが出迎えた。
「む…ぬいちゃんを狙うライバルが増えた」
「ちっこくて可愛いわね」
くーちゃんがルイスの頭をぽふぽふと撫でた。
「言っとくけど、ルイスって僕らの2倍は生きてるからね」
そう、実はルイスは年上だったのだ。
というかあの路地裏で生活していた面々の四割は僕らより年上だ。
たぶんスコティッシュフォールドに近い猫の獣人で、かつ栄養状態が悪かったからだろう。
中には母子までいたからな。
びっくりだよ。
え? スコティッシュフォールドは交配種だって?
知ってるよ。
「さてと。じゃぁ応接室行こっか」
三人を応接室に案内する。
その途中、厨房に寄ってポップコーンを四人分作って持ってくるように言っておく。
「僕が彼女らに何をさせたいかって言うとだね」
三人にポップコーン計画を話す。
「んー…シラヌイの言いたい事はわかるけど…そのポップコーンって美味しいの?」
「美味しいよ。それに単価も安い。なんせ家畜の餌みたいな物だ」
「そんなものを売って大丈夫なのか? 狐君の家に悪評が立つのでは?」
悪評ねぇ? 今さらな気もするけどね。
「大丈夫大丈夫」
ポップコーンを売る際の紙袋を取り出す。
そこには文が書いてある。
「『この実をこうして食う者知恵有るものなり』?」
「そう。つまりトウモロコシをこうして食べる事が出来るのは僕ら人型種族の特権なのさ」
そこでコンコンと応接室のドアがノックされた。
「持ってきたようだね」
メイドが皿に盛ったポップコーンを持ってきた。
「かなり強烈な匂いでしょ?」
作りたてのポップコーンの特徴。
それは匂いだ。
別に臭い訳ではない
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