第7章:神界大戦
第212話「戦闘とは名ばかりの……」
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なく、単純に貫いていた。
物理的にも、魔力的にも貫いているため、神界でなければ即死攻撃だろう。
「シグナム!」
「トドメだ!」
もう一度一閃が放たれる。
膝を付き、体内をシャマルに握られた状態で、首が切り飛ばされる。
それにより、ようやくその神が倒れた。
「ッ!」
喜ぶ間はなかった。
直後にはやて達の直下から炎が迸り、雷が撃ち貫く。
予備動作も、力が動く事も感知できなかったため、全員がそれを食らう。
「ぐぅっ!?」
特に、敵陣に斬り込んでいたシグナムは防御する間もなく攻撃が直撃した。
「なかなかやるらしい。が、イリス様は見逃すなと仰られている。……一人たりとも、逃げられると思うな?」
「一人倒した程度で喜んでいるようでは、すぐにでも死にますよ?」
嘲嗤うように、神や“天使”が口々に言う。
それは事実だった。現に、はやて達は既に数えきれない程死んでいた。
自覚する暇もなかったため、まだ倒れる事はないが、本来ならとっくに負けているのだ。
「(皮肉やなぁ……神界の法則のせいで追い詰められてるっちゅーのに、その法則のおかげでまだ生き永らえてるんやもんな……)」
攻撃が止まぬ中、はやては立ち上がりながらそんな事を考える。
「(……負けられへん。負けたくない。……勝つんや)」
“意志”をしっかり保つ。
それだけで“敗北”は免れる。
「(……けど……)」
だが、それに陰りが出る。
本当にそれで勝てるのかと、敵うはずがないのだと、そう考えてしまう。
それは敗北への一本道だ。意志が砕かれれば、その時点で勝ち目はなくなる。
「まだ……まだや……!」
必死に耐えようとする。
だが、攻撃の嵐は止まない。おまけに、また地面に縫い付けられた。
「ぁ、ぐ……!」
複数の神を相手にする。その脅威がここに来て身に染みる。
いくつもの能力を重ね掛けされる事で、抵抗すら許されなかった。
「ッ――――――」
その時、はやての視界を何かが横切った。
見れば、そこにいたはずの神がいない。
「ッ……!」
「(あれは……優輝さんか……?)」
一瞬だけ見えた姿は、優輝のものだった。
戦闘でここまで飛ばされてきたようで、先程は神を足蹴にして着地したようだった。
「(……速過ぎて見えへん)」
神や“天使”を複数相手に、たった一人で立ち回る優輝。
その速度が速過ぎて、はやては見失っていた。
「助けられたな……」
まだ神や“天使”の攻撃は飛び交っている。
しかし、優輝によって半分ほどはやて達への注意が逸れていた。
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